「マイクロ・ブリュー・コーヒー」という言葉をご存じだろうか。
これは、1カップずつ丁寧に入れられた香り高いコーヒーのこと。「マイクロ・ロースター」や「コーヒーの第3の波」という別の呼び名もある。そんなコーヒーを出すカフェが今、アメリカで広まっている。
このマイクロ・ブリュー・コーヒーは、サンフランシスコやシアトル、ポートランドといったアメリカの西海岸から始まって、ニューヨークへと広まり、大きな流行となっている。いや、流行というよりは、もっと精神的な意味も込めてムーブメントになっていると言ってもいいだろう。
そのマイクロ・ブリュー・コーヒーの先駆けとなったのが、ジェームス・フリーマンが設立したブルー・ボトル・コーヒーである。
お粗末な「アメリカン」、スタバを経て
ブルー・ボトル・コーヒーが生まれたのは2001年のこと。サンフランシスコの対岸の町、オークランドの小屋の中だ。その小屋の中でコーヒー豆を焙煎し、その豆とドリップコーヒー機器を車に積んで、地元のファーマーズ・マーケットに運び、そこで小さなカートを店に仕立ててコーヒーを出していた。
そのうち、サンフランシスコのフェリープラザという地元のグルメフードが集まるマーケットにキオスク風の小さな店を出すことになり、それが味にうるさいサンフランシスコの地元住民や観光客から注目を集めるようになった。そして10年たった今、ブルー・ボトル・コーヒーは、サンフランシスコ市内とニューヨークに10以上の店舗を構えるまでに成長したのである。
このマイクロ・ブリュー・コーヒーが第3の波と言われる理由は、アメリカのコーヒー文化がもともとお粗末なものだったからにほかならない。
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