武蔵vs麻布、本当に「変」なのはどっち? 髪を緑に染める理由、修学旅行がない理由

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おおたとしまさ/育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー

おおた:はい。その中において修学旅行をみんなで旗振って行くって、それはちょっと武蔵らしくないよね、っていう判断をしたということなんですね。でも実は、いま「修学旅行復活計画」が動いてるんです。でも、生徒会長に聞くと、「僕はなぜ武蔵から修学旅行がなくなったのか調べました。結論からいうと、昔の判断は正しかったです」って。

武蔵という学校と修学旅行という概念の食い合わせが悪いっていう結論に彼自身が達したんですね。でも、じゃあ武蔵らしい修学旅行のやり方ってないんだろうかと模索してる。現地集合・現地解散でそれぞれがそれぞれの行きたいところに行くとか。「もはや修学旅行じゃないじゃん!」って感じですけど。

神田:あれ、麻布がそうなんじゃなかったですか。

おおた:そうなんです、実は。北海道から九州まで、全国に散らばる。だいたい5~6人のグループになって、旅行行程を自分たちで考えて、それに従って行動するんですけど。気づくと、30mくらい後ろを先生が歩いているんですよ。尾行するみたいにコソコソと。要は、それが引率なんですよね。

神田:僕なんかは田舎の県立の共学校だから、やっぱり修学旅行でくっつくっていうのがよくあったんで。

おおた:え、くっつくっていうのは、男女でってことですか。

神田:そうそうそう。だから修学旅行までに、なんかカノジョつくんなきゃいけないとかね。向こう側も、ものすごいモチベーションが高いからね。案外できたりとかね。

おおた:女性がモチベーション高いんですか?

神田:うん、うん。もちろん高いんです。

おおた:ちょっとあの、すいません。男子校出身者の悪い癖が出て(笑)。ちょっと興奮してしまいましたけれども。まあ武蔵も麻布も男子校ですよね。で、よくね、共学出身者から「いや、結構モテてさあ」なんていう話を聞くと、「いや~、男子校だったからカノジョできなかったんだよなあ」なんて言うやつがいるんですけど、「いやお前、たぶん共学行ってたらもっとみじめな思いしてたでしょ」って(笑)。

断定表現を避ける話法は何のため?

おおた:神田さんの本の中で、麻布生がよく遠回しな表現を使うことに最初違和感を感じたと書いてありましたが、ちょっとその話もお聞きしたいなと思いまして。

神田:「いま思いついたんで間違ってるかもしれませんけども」とか、「~の前提として」っていうふうな言い方をやたらとするんです。なんか、ストレートに言わないんです。まっすぐ返ってこないんです。いつもなんかこう、保険をかけてしゃべろうとしてる。

おおた:そうそうそうそう!

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