安倍首相、消費税の使途変更を争点に解散へ 25日会見での首相発言全文と質疑応答

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問)先週、トランプ米大統領は北朝鮮のリーダーを「ロケットマン」と呼び、米国は「北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢がないかもしれない」と発言した。このコメントは、日本をより安全にするのか、それとも、日本人の安全性は低くなるのか。

答)トランプ大統領の個々の発言についてのコメントは控えたいが、日本は、全ての選択肢がテーブルの上にあるとの米国の立場を一貫して支持している。国連総会の機会に、トランプ大統領と日米韓首脳会談、そして日米首脳会談を行い、日米は100%ともにあることを確認した。今後とも北朝鮮に対して、北朝鮮がその政策を変えるまで、しっかり日米で協力しながら、国際社会とも連携しながら圧力をかけ続けていきたい。

希望というのは良い響き

問)小池東京都知事が「希望の党」を立ち上げた。都議選では都民ファーストの会を通じて自民党は惨敗した経緯がある。「希望の党」が総理の戦いにどう影響を与えるのか、自公協力についてはどう影響を与えるのか。

答)希望というのは良い響きだと思う。小池知事は第1次安倍政権では安全保障担当の補佐官務めてくれた。また(女性)初の防衛大臣も第1次安倍政権で務めていただいた。つまり安全保障、基本的理念は同じだろうと思っている。政治手法において少し違うかもしれないが、いわば、この選挙においては、さまざまな政党がしっかりと政策を前面に打ち出しながら、建設的な議論を行うことによって国民の期待に応えていきたい。

いずれにせよ、東京都知事である小池知事とは東京五輪・パラリンピックを成功させなければならないという共通の目標は持っている。その上で、選挙戦はフェアに戦いたいと思っている。

問)今回の衆院選で自らへの信を問うと表明した。勝敗ラインはどのように考えているか。2兆円の経済政策という話もあったが、財源については消費増税の使途変更ですべて賄うつもりなのか、また、足りない場合はさらなる国民、企業への負担増も考えているのか。

答)まず勝敗ラインだが、衆院選は政権選択の選挙だ。いわば、自公政権を選んでいただけるのか、あるいは野党政権を選ぶのかを決める選挙であるから、当然過半数を取れば政権を取り、過半数を取れなければ下野する。私も辞任することになる。ですから目標は常に、与党で過半数である。これは2014年の選挙の時にもそう申し上げたし、また小泉総理の時の郵政解散でも与党で過半数ということを勝敗ラインとして掲げた。

しかし、この選挙戦は相当厳しい選挙戦になる。それは覚悟の上だが、全力を尽くして与党で過半数を上回らなければならないと考えている。今回から定数10議席削減される。ですから自公連立政権で233が勝敗ラインと言ってもいい。233議席以上を取りたい、こう考えている。

同時に、私は自民党の総裁であり、全候補の当選を期して一丸となって全力を尽くしていきたい。

財源の問題だが、先ほど概ね2兆円必要であると話したが、その中で消費税についてこの安定化財源との関係においては、概ね半々ということになるのだと思うが、それ以外、例えば党において、保険について「こども保険」という議論もあった。保険でどれくらい対応するのかどうかという議論もあると思う。

保険ということになれば、企業の負担も出てくるということかもしれないが、そうしたことも含め、党内で具体的に議論していくことになる。大宗は消費税から充当していきたいと考えている。

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