「目先の給料」が低いのは、マイナスではない 先行投資なくしてリターンはない

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目先の給与が低いのは当たり前です。なぜならば、三木さんはこれまでのキャリアの中で「売り」になるような経験やスキルを積んできたわけではないと思われるからです。

あくまでも給与はキャリア構築の結果としてついてくるものであり、経験やスキルに対して支払われる水準が決まっているものです。

だからといって、現時点であきらめる必要はまったくありません。

繰り返しですが、キャリアの構築とその結果としての給与は三木さんの今後の頑張りによって天と地ほどの差が出るからです。

目先の給与水準ではなく、将来の自分を考える

私自身も大学を卒業後小さなベンチャー企業に勤務していたこともあり、会社がIPO(株式公開)を果たし26歳で役員の肩書を得るまでは、一般的な平均給与はおろか同年齢の平均水準よりも大分低い年収だったものです。

大手企業に勤務する友人たちが「ボーナス1カ月分しか出なかった」と言っている傍らで、私はボーナスなんぞありませんでしたし月収も彼らよりだいぶ低いものでした。

ただ、それでも自分自身は仕事を通じて誰よりもスキルや経験の面で成長している実感はありましたし、目先の給与水準なんぞに目をくれずに将来の投資期間と割り切っていましたから、苦でも何でもありませんでした。

重要なのは、現在の水準ではなく将来なのだということを理解していたからです。

先行投資なくしてリターンなし。これは何も金銭的な投資だけに言えることではありません。キャリアも同様です。

ですから、大事なことは、ご自身の時間と頭脳と体力という大きな先行投資を決断できる場所を探すということです。

未来は現在の自分の頑張りや考え方によって、いくらでも変えられます。今日の自分が決断することで、将来の自分がどれだけ理想とする姿に近づけるかが決まるわけです。

三木さんが、目先の小さな違いに目をくれず、長期的視点に立って仕事選びをされ、結果として理想とする姿に少しでも近づけることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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