食べ物の好き嫌いが多い子に親ができること

大人よりも友だちの影響がはるかに大きい

子どもたちは「同年代」という社会的カテゴリーを他の友だちと共有しています(写真:cba / PIXTA)
子育ては何にも代えがたい喜びの源である反面、真剣に取り組む人ほど、「どうして言うことを聞いてくれないんだろう?」と悩む場面も少なくない。
2000年刊行のロングセラーで、この夏に新版として改題・文庫化された『子育ての大誤解――重要なのは親じゃない』の著者にしてアメリカの教育研究者、ジュディス・リッチ・ハリス氏が、子どもの好き嫌いをなくす方法から思春期の子どもとの向き合い方まで、誰もがぶつかる子育ての壁を乗り越えるためのヒントを伝授する。

 

小さいお子さんをお持ちの方は、食べ物の好き嫌い、食わず嫌いにお困りではないだろうか? 就学前の子どもは、それが最も顕著だといわれる。親がどんなにおだてたり説得したりしようとも、嫌いな(もしくは嫌いだと決め付けている)食べ物を口に入れようとはしない。

子どもの食わず嫌い、好き嫌いをなくす方法はただひとつ。その食べ物が好きだという友だちと一緒にテーブルに座らせ、その食べ物を一緒に食べさせることだ。

お手本は他の子どもたち

就学前の子どもたちにとって、お気に入りのお手本は他の子どもたちだ。3歳もしくは4歳ともなると同じ保育園の遊び友だちと同じように行動するようになり、その行動様式を家にまで持ち帰るようになる。

彼らの話す言葉を聞くとそれがすぐわかる。友だちの言葉遣いが移るのだ。あるイギリス人の心理言語学者の娘は、カリフォルニア州オークランドの保育園に通園するようになってから4カ月もすると、「黒人の英語をまるでネイティブのように話す」ようになっていたという。彼女の仲良しの園児が黒人だったからだ。その黒人の遊び友だちよりもイギリス人の母親と過ごす時間のほうが多かったはずなのに、彼女の話し言葉に影響を及ぼしていたのは母親の訛りではなく、友だちの訛(なま)りだった。

言ってみれば、子どもたちは「同年代」という社会的カテゴリーを他の友だちと共有しているのだ。その結果、「大人」という、自分とは別のカテゴリーに属する親ではなく、友だちの影響をはるかに大きく受ける。

1歳の赤ちゃんでさえ、自分の社会的カテゴリーを認識している。

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