1ドル107円台後半、10カ月ぶりの円高に 重要な節目割れ、一段のドル安が進む可能性
[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の107円後半だった。午後の相場が薄い中、108円割れを目指した短期筋の仕掛け売りが成功。一時107円半ばまで下落した。
午後、ドルは節目の108.00円を割り込むと、ストップロスを巻き込みながら107.62円まで下落。10カ月ぶりの安値をつけた。いったん下げ止まったが、自律反発以外はドルを買い上げていく材料は見当たらないという。
北朝鮮の建国記念日や大型ハリケーン「イルマ」への警戒もあり、もともと商いが薄くなっていた。さらにメキシコで大地震が発生したというニュースが流れ、メキシコペソ/円が暴落。「108円割れを何度かトライして跳ね返されていた人たちの仕掛け売りが成功する条件が整った」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏)とみられている。
市場からは「108円を割り込めばドル買いポジションを手仕舞いたいという人もいると思う。目線はかなり下方向」(外為アナリスト)として、海外時間に一段のドル安/円高が警戒される。
きょうは実質的に、商業決済が集中しやすい五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需筋のドル買いが支えになったもよう。ただ、前日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のユーロ高地合いが継続し、ドルの上値も重かった。
正午前にユーロ/ドルは直近高値1.2070ドルを上抜けると、ストップロスを巻き込んで一時1.2090ドルに上昇した。「特段の材料があったわけではなく、投機筋が1.21ドルを試そうと仕掛けたようだ」(国内金融機関)との声が聞かれた。
ユーロ/ドルの上昇が強まった場面で、ドルは一時108.05円まで下落した。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 107.75/77 1.2077/81 130.15/19
午前9時現在 108.27/29 1.2026/30 130.22/26
NY午後5時 108.44/47 1.2021/25 130.37/41
(為替マーケットチーム)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら