異常人気”モンスターハンター”を仕掛けた4人組

異常人気”モンスターハンター”を仕掛けた4人組

「大丈夫、そこは俺がやる」「こっちは顔面を狙うよ」「じゃあ僕は武器を取りにいく」…。

カプコンのゲームソフト「モンスターハンター(モンハン)」が、異常な人気を集めている。

モンハンは主人公の狩人を操って、巨大なモンスターを倒すアクションゲーム。ゲーム機の通信機能を使えば、最大4人が同時に遊べる。通信機能を使ったゲームはこれまでにもあったが、そのほとんどはプレーヤー同士が勝敗を競うもの。一方、モンハンは冒頭のように、友達と協力しながらモンスターを倒すのが特徴だ。ユーザー同士でつながりができる「一体感」がウケている。

その売れ行きはすさまじい。携帯ゲーム機プレイステーション・ポータブル(PSP)用の「ポータブル2ndG」(今年3月発売)は、「100万本を超えれば大ヒット」と言われる国内ゲームソフト市場で、販売累計240万本に達している。勢いはゲーム機本体へも波及し、今上半期(2008年1~6月)の国内家庭用ゲーム機で、PSPは初めて販売台数トップに躍り出た。まさに“モンハン効果”で、ライバルである「ニンテンドーDS」を押しのけた格好だ。

モンハンはユーザーに口コミで広がった。ただ、それをあおったのはほかならぬカプコンである。「モンハン4人衆」--。カプコンには、こう呼ばれるブームの仕掛け人がいる。

プロデューサー(責任者)の辻本良三氏、ディレクター(据え置き機用開発)の藤岡要氏、ディレクター(携帯機用開発)の一瀬泰範氏、そしてプランナー(イベント、グッズ統括)の小嶋慎太郎氏。この4人が中心となり、巧みな仕掛けを次々と打ち出していった。

仲間探しの集いを企画 「4人衆」の狙い的中

モンハンは最初から支持を得ていたわけではない。据え置き型ゲーム機PS2用の初代モンハン(04年3月発売)は、販売本数30万本程度。次作の「モンハンG」(05年1月発売)も30万本にとどまった。

変化の兆しはPSP用に投入した「ポータブル」(05年12月発売)で表れ、70万本のセールスに。ただ、まだ一人で遊んでいるユーザーが少なくなく、爆発的なヒットとはならなかった。ポイントは「複数人でプレーする楽しみをいかにアピールするか」(辻本プロデューサー)だったが、そこには大きな壁が立ちはだかっていた。ゲーム自体が広く普及していなかったために、ユーザーが複数のプレーヤーを集めるのは容易ではなかったのだ。

そこで4人衆は、ユーザーが集まるコミュニティの場を提供した。

07年に「モンハンフェスタ」を名古屋、福岡など全国5カ所で展開。プレーの優位を競うイベントだったが、来場者は延べ1万5000人以上。ユーザーは、そこで複数人プレーの楽しさを味わった。今春も同様のイベントを実施し、延べ2万人以上のユーザーが駆けつけた。

今年8月には「モンハン夏期講習」を全国3カ所で開催。ユーザーが習熟度を高めるための勉強会で、メーカー自身がこのような場を提供するのは珍しい。講習に参加した神奈川県在住の女性(31)は「周りに女性のユーザーがいないので」と、参加の理由を語る。

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