モスバーガー、出口の見えない業績不振 “場当たり主義”に敗因? 

モスバーガー、出口の見えない業績不振 “場当たり主義”に敗因? 

ここ1~2年に改革できるかどうかが正念場」。神奈川県内でモスバーガーの店舗をフランチャイズ(FC)展開する有力オーナーの表情は険しい。4月以降、既存店売り上げ前年割れのモスは、6月に同8%減に沈んだ(下グラフ)。客数減が主因で、ファストフード大手の中で最も苦戦している。

「既存店の低調に加え、店舗数もピーク時2001年の1566店から約200店減少している」と、櫻田厚・モスフードサービス社長は業績不振を振り返る。モスの店舗はFCが中心。契約者は加盟料と毎月1%のロイヤルティを支払い、商標の使用権や経営ノウハウを得る。食材は別途モス本部がFCに卸す仕組みだ。当然ながら、FC不振がモス本体の屋台骨を直撃する。

戦略なき出店のツケ 2期連続赤字が確実

08年3月期はクーポン導入で客数を伸ばし、売上高は前期比4%増の623億円を確保したものの、不振のFC店を直営店に移行する費用がかさみ、営業利益は4割減の7・5億円へ急降下。そこへ店舗閉鎖損や減損などが追い打ちをかけ、当期損益では赤字に転落した。08年度も前期に引き続き閉店損が重く、6億円前後の最終赤字が確実だ。

外食市場は1997年29兆円をピークに07年は24・7兆円まで縮小した。モスの閉店は激戦区の首都圏がほぼ半分を占める。「右肩上がりのときの“FCオーナーありき”で、戦略的な出店が少なかった」(櫻田社長)ため、駅から離れた二等立地が足を引っ張っている。

「96年までは出店が閉店を上回り、売り上げは右肩上がりだった」と櫻田社長は振り返る。外食市場の節目となった97年に、カリスマ創業者の櫻田慧氏が急逝。後を引き継いだ現社長は、慧氏の甥に当たる。

神奈川県内のFCオーナーは、「97年当初はものすごく売れたが、売り上げは年々下がり、5年目の02年には採算ラインギリギリになった。赤字の月もあった」と話す。

そもそもモスはFCにとって負担が大きい。ロイヤルティ1%は低いが、出店費用は30坪のビル内店舗で3500万円、ドライブスルー店なら5300万円。さらに厨房設備で1000万円かかる。「最低でも5年を過ぎないと利益が出ない。全額返済には7年はかかる」(同オーナー)。初期投資額はFC展開を進めるドトールコーヒーとほぼ同水準だが、回収期間が倍以上長い。店舗の食材費率もマクドナルド直営店の29%に対し、モスは37%と割高だ。

01年、BSE(牛海綿状脳症)問題でハンバーガー離れが起こると、マクドナルドは翌年59円バーガーを発売、持ち前の機動力で対処した。一方モスは、店舗数と価格勝負を捨て高級路線に狙いを定めた。

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