グループ内外との連携で農業に新しい価値を

拡大
縮小
通信インフラの整備、データ通信事業など、時代の要請に合わせて社会を支えてきたNTTグループ。今、担うべき責務の一つとして掲げるのは、グループ力を結集し、ICTによってさまざまな分野の課題を解決するとともに、新しい価値を創出すること。農業も成長分野として捉え、グループ内はもとより、外部とも連携し、新しいあり方を日々模索している。

通信最大手が農業に挑む

日本の農業は就業人口の急速な減少や高齢化、耕作放棄地の増加などさまざまな課題を抱え、ICT(情報通信技術)はこれらの課題の解決に貢献できると注目されている。

主力の通信事業に加え、金融や不動産、建築、電力などの領域にも積極的に事業を拡大してきたNTTグループは、今や海外を含め約900社、24万人を抱える日本有数の企業グループだ。

同グループは、3年ほど前から農業ICTのグループ横断プロジェクトを発足させた。NTT東日本やNTTドコモといった通信事業会社に加え、地図情報を扱うNTT空間情報、気象情報のハレックス、画像解析に強いNTTデータCCSなど、多様な分野に秀でた約30のグループ会社が連携し、農業戦略や具体的なビジネスの検討を行っている。

関係各社のハブとなり、このプロジェクトをまとめるグループの持株会社であるNTTの研究企画部門プロデュース担当部長の久住嘉和氏は、「農業×ICTでイノベーションを起こし、これまでにない価値を創造したい」と意気込む。

NTTグループには全国規模の通信インフラやIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)技術「corevo(R)(コレボ)」※などを使って、農作業を効率化するサービスの開発が期待されている。

たとえば、IoTのセンサーなどで収集した環境や生育状況のデータをAIが解析し、その結果から必要なアクションを判断。農機やロボット、ドローンが連携しながら、最適な施肥や農薬散布を行って農作業を効率化する。また、流通から消費に至るまでの過程を見える化し、売れ筋作物を正確に予測して作付け計画を生産者に推奨するなど、「ムダなく儲かる農業」を実現し、農業界が抱える課題を解決するというイメージだ。

産官学連携などで多様な知見を集結

NTT(日本電信電話)
研究企画部門プロデュース担当
担当部長
久住嘉和

ただ、農業生産を直接行っていない同グループには農業の専門知識やノウハウはない。そのため同社が推進するビジネスモデル「B2B2X」により、外部パートナーと積極的な連携を進めている。具体的には、大手農機メーカーとの協業や産官学が連携した「農業データ連携基盤」への参画、大学との共同研究など、いくつものプロジェクトを並走させ、より効果を高めようとしている。また、これまでは農業のバリューチェーンの中で生産を中心に取り組みを進めてきたが、今後は流通・加工・販売・消費などにも拡大したいという。

久住氏は「このままでは衰退が止まらない農業という産業に、今こそ多方面の知恵と技術を結集させることが必要だと思います。私たちとICTや研究所の最先端技術という無限の可能性を秘めた武器を使い、未来の農業の形を一緒に創造しましょう」と、新たなパートナーとの連携を呼びかける。

※「corevo(R)(コレボ)」は、NTTグループのAI技術の総称
参考 http://www.icr.co.jp/NTT_agriculture/index.html
http://www.ntt.co.jp/journal/1603/files/jn201603012.pdf

次ページ女性営業担当が伝える農業ICTの可能性
お問い合わせ
NTT
NTTドコモ
  • 〒100-6150 東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー ドコモ・コーポレートインフォメーションセンター
  • 0120-808-539 午前9時~午後6時(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く)
NTT東日本
  • 〒108-8019東京都港区港南1-9-1
  • 03-6803-9174 午前9時~午後5時半(土曜・日曜・休日、年末年始を除く)
ハレックス
  • 〒141-0022東京都品川区東五反田2-20-4NMF高輪ビル3F
  • 03-5420-4313
NTT空間情報
  • 〒111-0034東京都台東区雷門1-4-4ネクストサイト浅草3階
  • 03-6802-8200
NTTデータCCS
  • 〒140-0002東京都品川区東品川4-12-1品川シーサイドサウスタワー6F
  • 03-5782-9471