米国の北朝鮮への執着は、アジアには迷惑だ

ASEAN諸国との対話の中心も北朝鮮に

ARFで北朝鮮に厳しく対応するようASEAN諸国などに求めたティラーソン国務長官(写真:Arron Bernstein)

レックス・ティラーソン米国務長官が、困難な外交訪問を行わなければならない状況が続いている。同国務長官は8月9日に、フィリピン、タイ、マレーシアといった東南アジアへの訪問を終えた。今回の目的は総合的に見れば、世界で6番目の大経済圏であるこの戦略的重要地域をドナルド・トランプ政権が気に懸けているということを、この地域の首脳陣に確信させることだった。

ところが、彼らとの絆を深めるどころか、今回の訪問は北朝鮮問題によって影が薄くなり、米政府と、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の意図は、完全に足並みがそろったものでないことが明らかになっただけだった。

ASEAN諸国が抱える課題を「軽視」

ASEAN加盟国の一部は、北朝鮮に対して懸念を示しているものの、同時に米国との通商に対する不安も口にしていた。「われわれはこの問題についてはしっかり話し合っていない」と、フィリピン外務省のエンリケ・マナロ政策担当次官は、北朝鮮政府との関係を最小限化する米国の要請についてこう話す。

昨年の大統領選前、バラク・オバマ政権は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を支持し、この地域への関与を強めることによって、多くのASEAN諸国の懸念となっている中国の存在感を薄めようとしていた。しかし、トランプ大統領は、就任直後にTPPからの撤退を表明し、その代替案をいっさい示してこなかった。

政治面についても同様で、トランプ政権がASEAN加盟国にそこまでの親近感を抱いてこなかったと言っていい。特に米国と同盟関係にある国は、南シナ海における中国政府の拡大戦略や、東南アジアにおけるテロ対策といった広域にわたる問題を優先して話し合いたいと考えていた。

ところが、先月北朝鮮が実施した2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験が、米本土に到達する能力があることが明らかになったことで、ティラーソン国務長官は、各国首脳との会談の中心を北朝鮮問題に据えたのである。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。