外国人観光客は「どの国」から呼ぶのが賢いか 脱アジア偏重で日本は「世界の観光大国」に

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「感情論」をやめて「数字」をみれば、答えは自ずとみえてきます(写真:teksomolika / PIXTA)
『新・観光立国論』が6万部のベストセラーとなり、山本七平賞も受賞したデービッド・アトキンソン氏。
安倍晋三首相肝いりの「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」委員や「日本政府観光局」特別顧問としても活躍している彼が、渾身のデータ分析と現場での実践とを基に著した『世界一訪れたい日本のつくりかた』は、発売1カ月で2万部を超えるベストセラーとなっている。
本連載では、訪日観光客が2400万人を超え、新たなフェーズに入りつつある日本の観光をさらに発展させ、「本当の観光大国」の仲間入りを果たすために必要な取り組みをご紹介していく。

 

『世界一訪れたい日本のつくりかた』は2万部を超えるベストセラーとなっている(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

この国ではまだまだ軽く見られている「観光」こそが、日本が抱えるさまざまな問題を解決して、成長を牽引し、GDPの10%を占める「希望の産業」になる。

その真実を知っていただきたく、この連載では高級ホテル」や「旅館」に代表される日本の「観光」の改善点を指摘してきました。

これらの記事には、本当にたくさんのコメントをいただきました。いろいろな意見があるなかで「コメントをする人はごく一部なのだから、いちいち気にしなくてもいいのでは」といったご意見もありました。

しかし、反対意見から見えてくることもあります。たとえば「いろいろ文句を言うのなら、外国人観光客など来てもらわなくて結構」「良くも悪くも日本の文化を楽しみに来ているのだから、今の日本のやり方を変える必要はない」といった意見には、それに対する私の考えを述べさせていただきました。

なかには「この外国人は日本を観光化することでひと儲けしようとしているにちがいない」「欧米人の感覚を上から目線で押し付けて、”開国”させようとしている」など、提言の内容と関係があるとは言い難い、私が「イギリス人である」点を批判している方もいました。

ただ、私が経営しているのは300年続く文化財修復会社ですので、「観光」が盛んになっても間接的にしか関係ありません。もう28年も日本で暮らし、京都では自分で修復した京町家に住んでいます。休日には着物を着て過ごし、茶道もたしなんでいますので、みなさんが考えるほど「欧米人の感覚」にとらわれているわけではないことを、どうかご理解いただきたいです。

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