全盲の夫婦が築く「見えなくても」明るい家庭 2人で越えた難関の司法試験、結婚、妊娠・出産
常時30件のクライアントを抱える売れっ子弁護士と結婚した大胡田(おおごだ) 亜矢子さん(42)。女性なら誰しもが憧れる人気職業の妻だが、実は亜矢子さんには、体にハンディがある。視力に障害があり目が見えないのだ。早産で生まれてきた際、未熟児網膜症を患い、生後まもなくして視力を失った。
そんな亜矢子さんの夫である誠さん(40)。実は彼も視力を失い、目が見えない。そう、2人は共に全盲の夫婦なのだ。
驚きの工夫で家事も育児もパーフェクト
そう聞くと、しんみりした話かと思いきや、そんなことはない。大胡田家の中は常にきれいに片付けられ、亜矢子さんの手料理を子どもたちが頬張る。包丁さばきも見事。それもそのはず、実は生まれたときから目が見えない亜矢子さんには20年以上の料理のキャリアがあり、18歳で一人暮らしを始めたときから自炊をしてきた。
お米を炊くなんてお手の物。なんと危険度の高い揚げ物も自分で調理する。火がついたか、手をかざして温度確認。揚がったどうかの確認は
「音です音。(最初は)ピチピチって凄く高い音がしてるんだけど、火が通ってくるとシンシンみたいな音に変化してくる」(亜矢子さん)
実際、その料理の出来栄えは、とっても美味しそう。冷蔵庫の中も綺麗に整理整頓されている。調味料を識別するのに頼りにしているのが…
「ソースの形って四角いですけど、最近のはソースの蓋に点字でソースって書いてある。マヨネーズは蓋がボコボコしてボトルがツルツルしている。ケチャップは手触りがサラッとしている材質で、しかもボトルにケチャップって点字がある」
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