地頭の良い人は「簡潔な説明」が上手すぎる 今すぐ真似できる「3つのポイント」とは?

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要点③ どんな複雑な話も、「たった30秒」にまとめる

さらに、結論や全体像を表現するにしても、「要するに何なのか?」をシンプルに考えておくことが重要です。

そこでトレーニングとして有効なのが、エレベーターテストやエレベーターピッチと呼ばれている、「突然出会った人に30秒で説明する」シミュレーションです。「エレベーター~」の語源は、エレベーターホールで多忙な重要関係者に出会ったときにインパクトのある話をエレベーターに一緒に乗って降りる間の「30秒間で」説明するというものです。

そのためには思考回路を少し変える必要があります。短時間で要点をまとめられない典型的な思考回路は、「時系列で順番に」具体的な事象のみを説明してしまうことです。

「要するに」を考えるためのコツとして「①まず一言で」「②さらに『3つ』に」「③具体例を絞って」「④相手にどうしてほしいか?」といった手順を意識することで、「30秒で」要領よく説明できるようになっていきます。普段から意識することでうまくなっていきます。

一瞬で状況を共有する秘訣は「点数化」

「まず一言で」が苦手な方向けにコツをお話しすると、プロジェクト進捗のような状況では、「80点」とか「30点」といった形で「点数」で表現してしまうのが、一瞬で状況を共有する秘訣です。

そこで、次にどこが「合格」でどこが「不合格」なのかを3つのポイントで説明するという流れを取れば、自然にわかりやすい流れになっていくでしょう。

エレベーターテストでは、「突然」会ったときに、それをする、というのもポイントです。そのため、プレゼンテーションの場があろうがなかろうが、「つねにそのように考えておく」ことが必要になるのです。

上記のことを心に留めていただけば、「だらだら話す人」とは無縁の、「ひと言でわかりやすい説明ができる」ビジネスパーソンに近づけることでしょう。

細谷 功 ビジネスコンサルタント、著述家

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ほそや いさお / Isao Hosoya

1964年、神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業後、東芝を経てアーンスト&ヤング・コンサルティング(クニエの前身)に入社。2009年よりクニエのマネージングディレクター、2012年より同社コンサルティングフェローとなる。問題解決や思考に関する講演やセミナーを国内外の大学や企業などに対して実施している。

著書に『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』、『アナロジー思考 「構造」と「関係性」を見抜く』『問題解決のジレンマ イグノランスマネジメント:無知の力』(以上、東洋経済新報社)などがある。

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