通販急伸のヤフー、ステマ疑惑への「言い分」 宮坂社長「早く気づけばと反省しているが…」

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ヤフーの中でますます重要度が高まるショッピング事業だが、危うい側面もある。ヤフーショッピングのサイト内、商品一覧ページの一部に、広告であることを隠した広告、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)が横行していると、報道機関などから指摘を受けているのだ。

サイト内で買いたい商品カテゴリーを選択したり、商品検索をしたりすると、まずは「おすすめ順」という並びで一覧が表示される。この際、広告料を多く払っている商品が上位に出る場合があるが、ほかにも「おすすめ」の評価軸が複数あるため、ユーザー側にはどれが広告による上位表示なのかわからない。

また、商品一覧の最上位に表示される「アイテムマッチ」という広告枠については、文言自体が広告とわかりにくいことに加え、「おすすめ順」だけでなく「売れている順」という一覧にも掲出していたことに「不適切では?」という声が上がった。

宮坂社長「われわれのミス、反省している」

これらの指摘を受け、ヤフーはいくつかの対応を行っている。まず「アイテムマッチ」は「ストアのイチオシ」へと文言を修正。「おすすめ順」の掲載について、ストア側が支払う販売促進費を加味している旨の説明を拡充し、商品一覧ページにその説明へ直接アクセスできるリンクを設置した。また、「売れている順」への広告掲出は取りやめた。

「ステマ疑惑」を説明した宮坂社長。手数料無料のモデルでどのように収益を広げるのか(撮影:今井康一)

これらの点について、宮坂社長は「われわれのミス。もう少し早く気づけばよかったと、深く反省している」と語った一方、ヤフーとして従前の考え方を貫く部分も強調した。

「(ヤフーニュースなど)メディア面と(ヤフーショッピングなど)小売り面の編集の在り方は、別物と考えている。どちらもいい情報を届けるのは同じだが、小売りの場合はいい商品を、お得にお届けする必要がある。そのために、小売りの歴史の中で販売促進費、販売インセンティブなどさまざまな工夫がなされてきた。ECも小売りの一形態として、お得を実現するのがユーザーファースト。そのための工夫や仕組みとして、取り入れられるものは積極的に取り入れていきたい」(宮坂社長)。

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