ヤフー、ECで「ポイント大盤振る舞い」の思惑 ソフトバンクユーザー厚遇でライバルを猛追
――前期(2017年3月期)はヤフーショッピングの商品点数や流通総額が大きく伸びた1年だった。社内の評価は?
公表ベースでいうと、だいたい予想どおり達成できた。ただショッピングの部門はつねに上(楽天やアマゾン)を追いかける段階なので、どこまで行っても"足りるはずがない"というか。上に行けば行くほどいいと考えている。満足はしていない。
競合の背中はまだまだ見えない
――最も重視しているのはどういった指標か?
基本的には取扱高だ。ここから得られる利益も大事だが、まだ日本においていちばん使われているサービスになったわけでもない。今の段階では、規模を大きくしていくのが先決。楽天、アマゾンと比べると、彼らは明確に開示をしていないものの、単純に考えて数倍の差をつけられている。まだ「背中が見えそう」というレベルですらない。
もちろんこれは、ヤフーショッピングのサービス単体で見るか、ヤフオク!なども含めたヤフーのEC事業全体で見るかで違ってくる。ヤフーのEC事業全体でいうと、(流通総額が)1.8兆円まで伸びているので、それなら「数倍の差」というほどではないかもしれない。
――さらに拡大を目指す策として、今期はソフトバンク利用者へのポイント10倍付与など、グループを挙げての取り組みが目を引く。
まず誰に対して最優先にアプローチすべきか考えたときに、ソフトバンクグループがおカネを頂戴しているユーザーだろうと。将来的には、日本国民全員に「ヤフーショッピングはいいサービスだね」と思ってもらいたいが、なにせ今は発展途上。ターゲットを多少狭めてでも、そのお客さんにとって最強のサービスとして認知してもらおうという考えだ。
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