「脱化石燃料車」への動きは世界中で一致
日産「新型リーフ」が背負うEV普及の使命
「新型リーフに搭載する新技術の一つは、e-Pedalです。アクセルペダルの操作だけで加速・減速を可能とし、車両が停止した際にはパーキングブレーキを自動でかけられます。慣れればブレーキペダルをほとんど踏まずに、アクセルペダル一つで操作する新しいドライブ感覚を楽しめます」
こう話すのは日産自動車の寺西章氏。日産の日本国内におけるEV事業に携わるマーケティングマネージャーだ。
日産初の電気自動車(以下、EV)となる初代リーフの発売から7年。ついに9月にモデルチェンジを迎えるが、ここへ来てEV時代の到来を予感させるEV関連のニュースが連日メディアを賑わせている。
たとえば、欧州の大手自動車メーカーが2019年以降はエンジンだけで走る車の製造をストップし、EVやハイブリッド車などに絞り込むと発表。2年後のことだ。国単位では、フランスとイギリスがガソリン車とディーゼル車の販売を2040年までに禁止する方針を相次いで打ち出した。環境意識の高いオランダやノルウェーでは2025年までに、ドイツも2030年までに、という同様の動きがすでにあり、目標とする時期は違えども方向性は同じだ。「脱化石燃料車」というベクトルは地球規模で一致している。
この動きを裏付けるように、世界のエネルギー市場の分析を行うブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスは、2040年に世界の新車販売におけるEVの比率が54%に達すると試算。日本国内でもCO2排出量の低い車両を推進し、2030年までに新車販売に占める次世代自動車(EV、PHVやFCV等を含む)の割合を5〜7割とする目標を経済産業省が掲げている。
ハイブリッド車とEVの微妙な関係
次世代自動車という視点に立てば、日本は世界に先駆けてハイブリッド車を発売し、普及させてきた。国内の年間販売台数もハイブリッド車が8年連続で1位*1を占めるなど、日本のユーザーの環境意識も醸成されている。だが、ハイブリッド車の普及が広く進んだ日本では、現在のEVが持つ不安要素が浮き彫りになってしまうという皮肉もある。
*1 出典:日本自動車販売協会連合会