グノシーは「後出しじゃんけん」で戦う会社だ 福島CEO「スマホの次の時代でも勝負できる」
2つのアプリが共に成長した
――前期(2016年6月~2017年5月)は売上高、営業利益とも期初予想から大幅に上振れる好調ぶりだった。
開始から4年を超えた「グノシー」アプリをさらに成長させられたことと、もうひとつの「ニュースパス」(KDDIと提供)を成功に導けたことが大きかった。「グノシー」のユーザーは10~30代が中心で、それだけでは限界が見えたかもしれないが、もっと拡大できることを証明できた。
どちらのアプリもアルゴリズムで記事を表示しているが、使われ方がまったく違うのは興味深い。「グノシー」はエンタメ、ゴシップ、スポーツ系のニュースやコラムが多く読まれるが、「ニュースパス」は天気や災害、事件・事故や堅めのニュースが中心だ。
一方で「これくらいユーザーを獲得できたら、これくらい残り、これくらいの滞在時間に落ち着くだろう」という点は、どちらのアプリも想定どおりに推移したので、安心した。
――スマホのニュースアプリは世間に一通り定着してきた感がある。参入当初と比べ、市場環境の変化を感じるか。
スマホ自体はかなり広範囲に普及したが、まだ(アプリではなく)ブラウザでニュースを見ている人は少なくないので、僕らの拡大余地は依然として大きい。ただ、ユーザーの中でも先進的な「アーリーマジョリティ」といわれる層には普及してきた。今度は「レイトマジョリティ」、本当の意味でのマス層をどう取り込むかが競争の焦点になる。
そこで大事になるのは、ユーザー獲得経路を工夫することだ。たとえば「グノシー」ではマクドナルドと組んだキャンペーンを行うなど、オフラインの施策を充実させている。人に勧められたり、CMで見たりして名前は知っているが、まだダウンロードしていないという層には、きっかけとなる一押しが重要。そういう意味で、従来の広告だけでない接点を作るようにしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら