白百合卒ママが我が子を公立に行かせた事情 なぜ「アンチ白百合」になったのか?

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以前のインタビューで明らかな通り、インターに子どもを入学させるには5歳でバイリンガルの英語力が最低条件であり、さらには年間300万円の学費を支払うだけの経済力がいる。

そのような家庭は、東京・港区においてもごくごく一部である。

しかし早希さんは、取材班の思考回路を見通していたようだ。

「私は、インターナショナルスクールにも懐疑的なんです。…もちろん、金銭的な問題もありますけど」

取材班はそうですよね、と相槌を打つ。すると早希さんは、自身の経験を交えて独自の見解を語った。

「日本人ですから、中学までは日本語で学べば良い。その上で子どもが海外を志向するなら、高校で留学すれば十分です。実際、インターに行かずとも、高校時代に海外留学してオックスフォード大学に進学した友人がいます」

早希さんの主張は、終始一貫している。

親は、決してレールを敷かない

親は、決してレールを敷かない。子どもの主体性を重んじ、本人がやりたいと思うことがあるなら自力で道を切り拓いていくべきだ、と考えているのである。

しかし、そのような母親は珍しい。取材班がこれまで話を聞いてきた限りでは、やはり自分が受けた以上の環境を与えようとする親がほとんどだった。

――ご自身は幼稚園から白百合で、お子様を公立に入学させることに抵抗はありませんでしたか?

その質問に、早希さんは迷わず「全く」と答えた。

そしてその後、諭すような口調で続けた言葉に、取材班は深く頷くのだった。

「社会には多種多様な人がいることを、子どものうちに学ぶべきです。それに…そもそも公立とはいえ、港区青山の学校ですからね。多種多様と言ったって、知れていますよ」

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