レクサス「LS」の最新進化は一体何がスゴいか 今秋発売控え先行公開された5代目を解剖

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ドアトリムにはレクサスの「L」をモチーフにしたブリーツ状トリム処理は日本の「折り紙」がヒント。写真で見ると堅そうに見えるが、実際に触れてみるとソフトな感触だ。夜間に「行燈(あんどん)」をイメージした間接照明に照らされたときの陰影もまたすてきである。また、ドア・トリム・オーナメントは「切り子細工」がモチーフ。こちらも光の加減でさまざまな表情を見せる。どちらも職人の手によって丁寧に製作されている。

フットワークはTNGAの考え方に基づき全面刷新されたプラットフォーム「GA-L(グローバル・アーキテクチャ・ラグジュアリー)」を採用。原理原則に従い、ヒップポイントを下げる、エンジンを下げる、サスタワーを下げる、全高を下げる……といった低重心化をはじめとする最適設計による基本性能の飛躍的な向上により、LSのDNAである「静粛性/快適性」はしっかりと継承しながら、ステアリングの正確性や応答性、フラットライドなど、次世代のフォーマルセダンにふさわしい乗り味を実現している。

新型LSにはスポーティなグレードである「Fスポーツ」も用意されており、専用セットアップのサスペンションに前後異径タイヤ(フロント:245/45R20、リア:275/40R20)、アクティブスタビライザー、そして専用ブレーキシステム、VGRS(可変ギアレシオのステアリング)/EPS(電動パワステ)/DRS(リアステア)を統合制御するレクサス・ダイナミック・ハンドリング(LDH)の組み合わせによって、ボディサイズを感じさせないハンドリングとLSらしい乗り心地を両立させている。

パワートレインは?

パワートレインを見てみよう。ガソリン車は初代から採用されてきたV8エンジンがラインナップから消え、新開発となるV6-3.5 Lツインターボエンジン(最高出力421馬力/最大トルク600Nm)+ダイレクトシフト10速ATの組み合わせ。高速燃焼と高効率ターボにより、「V8並みの動力性能」と「圧倒的な燃費性能」を両立している。

ハイブリッド仕様はすでに発売されているラグジュアリークーペ「LC500h」にも採用されるV6-3.5L+モーター+有段ギアの自動変速機構を組み合わせた「マルチ・ステージ・ハイブリッド」を搭載。ハイブリッドの欠点といわれる「ラバーバンドフィール」をなくし、ダイレクトでスムーズなフィーリングが特徴だが、LC500hに対してラグジュアリーセダンにふさわしい滑らかな制御に変更。スペック的に見てしまうと従来のV8-5.0L+モーターに劣るものの、軽量化されたGA-Lプラットフォームと相まって、リアルワールドでのパフォーマンスと燃費のバランスは大きくレベルアップしているそうだ。

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