シャープ堺工場への進出は非常に異質のモデル--米国コーニング社ディスプレイ テクノロジー プレジデント ジェームス・クラッピン氏

シャープ堺工場への進出は非常に異質のモデル--米国コーニング社ディスプレイ テクノロジー プレジデント ジェームス・クラッピン氏

米国コーニング社(本社・ニューヨーク州)は、液晶テレビ・モニター(ディスプレー)の重要部材である液晶用ガラスで世界シェア50%を握る。売上高58.6億ドル(約6300億円、2007年)のうち、ディスプレー部門の売り上げが45%を占める。液晶用ガラスは参入メーカーが4社しかない典型的な寡占市場で、2位の旭硝子は25%、3位の日本電気硝子20%、4位NHテクノグラス(HOYAの関連会社)5%程度と推定される。液晶ディスプレーを生産するのは、シャープ(日本)、サムスン電子(韓国)、LG(同)、奇美電子(台湾)、友達光電(同)など東アジア企業のため、コーニングの液晶用ガラス生産拠点も日本、韓国、台湾にある。アジアに最も近い米国メーカーの1つといえるだろう。コーニングのディスプレー部門のプレジデントを務めるジェームス・クラッピン氏も東京に常駐する。液晶用ガラス市場の動向とコーニングの戦略について聞いた。

--米国サブプライム・ローン問題に端を発した世界経済停滞の液晶ディスプレー業界への影響は
 

今年1~6月までについては、全世界でテレビの小売りが好調だった。在庫が非常に増えているという話しは聞いていない。世界経済については心配している。ただ液晶テレビやパネルの販売については、サブプライム問題やその他、世界経済に関する問題の影響は大きくは受けていないようだ。


-- 液晶テレビの価格は下がり続けているが、液晶テレビで使われている他の部材に比べて、ガラス基板の値下がりは緩やかだ。その理由は何か


  この業界に参入して12 年になるが、その間ほぼ毎年、ガラスの価格は下がり続けている。この流れは今後も変わらない。ただ、我々が作っている液晶用ガラスは(技術的に)非常に難しいものだ。実際に液晶用ガラスを製造できるガラスメーカーは非常に少ない。


-- 例えば、液晶カラーフィルターなどは、価格がより激しく落ちている


 ガラスの値下げ率が他の液晶パネル用部材ほどでないのは、申し上げたとおりで液晶ガラス製造が非常に難しいからだ。液晶カラーフィルターの製造も決して簡単ではないが、ガラス基板を製造するほどの技術は必要ない。多くのパネルメーカーが自社でカラーフィルターの製造に乗り出しているのは、パネルメーカーができることでもあるからだ。しかし、ガラス製造まではパネルメーカーにはできない。


--コーニングにとっての顧客である液晶パネルメーカーがある、日本、台湾、韓国と中国に対する直近の投資動向は


 大阪府堺市に建設中のシャープの液晶テレビ新工場に、第10世代(2850×3050ミリメートルサイズのガラス基板)の液晶用ガラス工場を建設するため7億9500万ドルの投資をしている。2010年初めには稼動を開始してシャープ工場の立ち上げをサポートする。台湾では4億5300万ドルの設備投資を行っている。台湾のパネルメーカーの需要に応じるためだ。また昨年、中国・北京で液晶用ガラスの加工工場を立ち上げた。第5世代(1300×1100ミリメートル)の液晶用ガラスを中国のパネルメーカーに供給する。韓国でも拡大投資を続けている。


--液晶用ガラス加工工場を建設した中国の成長性はどの程度と見ているか


 現在、中国には第5世代の液晶パネルメーカーが3社、4.5世代のメーカーも1社ある。1年半以内に第5世代のパネルメーカーがもう1社増えるだろう。現在、中国における液晶パネル製造は、ほとんどがモニターパネルか小型パネルの生産で、まだテレビ用の液晶パネル生産には入っていないが、いずれテレビ用液晶パネルを生産する。現地の液晶パネル業界の製造能力が成長するにつれ、コーニングも投資を拡大していく。将来、いずれかの時点で溶融工程も設備する。中国はきわめて大規模な最終市場だ。多くの消費者がノートパソコンや液晶モニター、液晶テレビを買っており、液晶ディスプレーへの流れが強まっている。

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