ハンカチ王子との明暗は、細木数子の責任?
さて、まーくんといえば一昔高校野球で、どちらかといえばハンカチ王子と騒がれた(いまでは“半価値”王子と呼ばれているらしいが)斎藤佑樹投手が思い出されるわけだが、2012年の年収は約3000万円であり、3億円超えの田中投手とは大きな差がついている。
この差はどこから生じたのだろうか。
まず斎藤投手がプロ野球という長く稼げない仕事で最大の成長するべき年代および稼ぎ時である20代の4年間を、なんと大学進学に使ってしまったのは驚きだった。私はいつも高等教育の重要性とそれが切り開く可能性の大きさについて触れてきているが、つねに前置きとして「あなたがプロ野球選手やプロサッカー選手、水泳のプロになるのでもないかぎり」と言ってきた。進路と磨くべき技術分野が極めて明確だった斎藤投手がなぜ大学を選んだのか、本当に謎だ。競争の激しいプロ野球でのキャリアに限って言えばキャリア上間違いなく不利になる決断だった。
別に野球人生だけがすべてじゃない、普通の若者と同じく大学生活を謳歌したい、というのが理由ならまだわかるのだが、仮に一説に言われるように某テレビ番組で細木数子さんに“いまプロに入ったら破滅”と言われたのが影響したというのが本当ならこれは荒唐無稽にもほどがある。仮に38歳で現役を引退するとすれば、20年の野球人生で4年のロスは実に野球キャリア人生の20%にあたり、一流選手の年棒を2億円として、4年で8億円、税引き後でも4億円近くの報酬を大学進学で失ったことになる。
斎藤選手もすごい才能のある方で、まだまだ活躍されるだろうし、まさか本当に斎藤選手が細木数子の言うことを信じて大学進学した、とは思わないが、以下はキャリア選択の一般論としてお読みいただきたい。
一番キャリア相談をしてはいけないのが占い師
細木数子さんの占いは、芸能人“おさる”が“モンキッキー”に改名したら成功する、と言ったり、ホリエモンの輝かしい未来を予言(その直後に逮捕)したり、と、私にとっては“とにかく力強く断言するだけの怪しいおばさん”ナンバーワンだった。
誰の事とは言わないが、“破滅する”とか不安をあおって力強い口調で他人の人生を左右するような“助言”を断言して路頭に迷わせることの責任を、なぜか心霊ビジネスとして取り締まられないイカサマ占い師の皆さんは痛感すべきだし、また占いに一時間2万円も払っている皆さんは、言ってはなんだがそんなの大抵無責任な気休めなので、気休めのために使うならまだしも本気で知的判断の上位に占いを置いてはならない。
自分自身でも自分のことがわからないことが多いのに、自分を良く知り自分のことを考えてくれる人の話ではなく、自分のことを何も知らず、あなたがどうなっても関係ないはずの他人のヨタ話に人生やキャリア選択を賭けていては、人生での失敗が約束されているようなものである。
そして仮にプロ野球に関して言うならば、プロとしては小柄な斎藤選手が、一番体力と実力を養える20代の4年間をアマの大学生の中で過ごすかプロの中で過ごすか、そんな判断を大殺界だか何だかに委ねてはいけないのである。
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