今春も文系学部の志願者が増えたが、要因は好調な就職状況にある。
大学通信の調査による2016年卒の文系学部の平均就職率は、就職に有利な資格が取得できる社会福祉系を除くと、商・経営系が87.6%と高く、比較的就職に弱いとされる文・人文系でも83.3%に達した。2013年との比較で10ポイントほど上昇した学部系統も少なくない。
法学系は難関大が上昇、数学に強いのも有利
その文系の学部系統ごとに、2014~2016年の3年間累積就職率でランキングしてみると、法学系のトップは青森中央学院大学だった。2位は日本文化大学。両校ともに入学時の難易度は高くないが、就職率が高水準で安定している”お得な大学”だ。法学系は2016年の平均就職率が83.7%にとどまるが、これは難関大学ほど司法試験や公務員試験準備で、進路未定のまま卒業する学生が多いためだ。
そうした中で一橋大学の累積就職率は90%超。2016年単年の就職率に注目すると、ランキング上位では、南山大学と早稲田大学の伸びが顕著となっている。
法学系より一般企業を目指す学生が多い、経済・経営・商学系は、30位まですべての大学が90%超。トップは安田女子大学で2016年の就職率は何と100%だ。2位は東京理科大学。3位の福井県立大学は、福井銀行や北陸銀行など、地元の金融機関を中心に就職する学生が多い。
この学部系統の就職力が高い要因に、数学に強いことが挙げられる。大学生の学力低下が指摘される中、能力適性試験が重視される傾向にある。特にあらゆる職種で数学の基本的な能力を重視する企業が多い。そう考えると、東京理科大学の就職率の高さに納得できる。
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