自立のためには、「ママ友」との関係も重要だ 写真家・植本一子さんに聞く「仕事と人生」

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――写真も撮られています。文章と写真、どう使い分けているんですか。

写真が先なんですけど、写真って結局、一瞬しか残せないから、その前後にどんな面白いことがあっても一面でしか残せない。そういうのが惜しいなって思って書き残している感じはありますね。

文章を書くのは、映像と一緒というか、写真の連写を文字化してるみたいなことですね。残さないのは惜しいなと思う瞬間を書いてる感じはあります。

――残すことに関心がある。

写真始めたときから、残すことは基本だったというか。高校生からやってるんですけど、高校生のあの瞬間って、本当にあの時期しかない。それにすごく早い時期から気づけてたのは、よかったなと思いますね。今でも、子どもの瞬間って、ああ今しかないんだなって思って撮り続けています。

(c)植本一子

――自分のため、ですか?

写真は、自分のためというよりは、写ってる人のための方が大きいですね。だから残してあげたいと思う人しか撮らない。身近な周りの人しか写さないんですよ。意味のないスナップは撮らないし、基本は子どもと友だちだけというのはずっと変わらないですね。

ひとりで完結できることばっかり選んできた

――写真と文章、植本さんはひとりの仕事を選ばれていますね。

ひとりで完結できることがいいです、何でも。

なんか最近、「写真の仕事、どう?」って友だちに聞かれたときに、実際写真の仕事が減って、文章の仕事が多くなったので、「文章の方をやってるよ」って言ったんです。その人はライターだったので、「写真のほうが手っ取り早く稼げて、文章なんて割に合わなくない?」と言われて。「いや、そうなんだけどね。気は楽だね」って話しました。

――どちらもひとりなのは変わらない。

写真も文章も、ひとりで完結できることばっかり選んできたんだなって思います。だから、写真もスタジオ(フォトグラファー)とかやらなかったし、ライティングも覚えなかった。(家族を撮影する)「天然スタジオ」とかひとりでできることをやって、本当に人と組むの苦手なんだなって思いました。

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