【勝間和代氏・講演】利益の方程式~利益を生み出す黄金ルール(その3)

RoppongiBIZ*東洋経済提携セミナー
「勝間式『利益の方程式』利益を生み出す黄金ルール」より
講師:勝間和代
2008年5月28日 六本木アカデミーヒルズ(東京)

その2より続き)

●マーケティングの4Pと4C

 まず顧客単価を上げるためにどうしたらいいか。マッキンゼーは何十年も顧客単価を上げるだけの仕事をしている専門のコンサルタントがいます。私はこの専業ではなかったのですが、彼らと一緒に国内のさまざまな産業について、兼業として従事してきました。その知識を5点まとめてお伝えしましょう。

 1番目。これは当たり前なのですが、顧客単価が利益に最も影響します。例えば利益率10%の商品を考えてみましょう。これを全く原価構成を変えずに、売価を100から101に変えるだけで、利益率11%になるんです。厳密には11%をやや切りますが、ほとんど11%。それだけで儲けが10%増えるんですね。すなわち、顧客単価を1%上げるということの方が、顧客数を増やすとか原価を下げることよりも実は楽なのです。

 では、2番目。顧客単価と潜在顧客数は相反するということ。よく顧客満足度が重要だという話をすると思います。ただ、「顧客満足度が高い貧乏な客」よりは、「顧客満足度が低い金持ちの客」の方が顧客単価はたくさん取れるんですよ。「金持ちファクター」と私たちは呼んでいるのですが、やはり金持ちのほうが財布は緩いんですね。これは仕方がないことなのです。お金持ちの人というのは忙しくて時間が無いので選択コストを下げたい。単価を値切るよりは取引コストが安い方を重視するという傾向があります。また、逆に懐が寂しい人というのは、使うことをものすごく重視するので、顧客単価についてものすごくうるさいのですね。ちょっとでも安くしようといって見積もりを取ったりする。
 マーケティングの4Pという言葉がありますが、これに対してマーケティングの4Cという言葉があります。4Pをカスタマーから見て、全部Cと言っているんですね。例えばプロダクト。これについては「カスタマー・バリュー」と呼んでいまして、顧客から見た価値。プライスは、顧客から見ると「カスタマー・コスト」。この顧客のコストというのは何かというと、私たちが使う時間とかあるいは取引とかも全部含めたコストなのですね。ですので、顧客から見て、実はプライス、いわゆるお金だけがイシューではないのです。金持ちの人はよく稼げる人ですから、時給が高い。時給が高いので、あまり細かいことをうだうだして安いものを探すよりは、さっと買えて質のいいものであることを求めるわけです。逆に貧乏な人は、自分の時間単価が安いので、顧客単価を下げる努力をした方が、その人にとってメリットになってしまうんです。ですので、顧客単価と潜在顧客数というのは常に反比例の関係にあります。

 したがって、3番目も同様のことにはなるのですが、顧客数が増えるほど平均顧客単価というのは通常下がることになります。これは携帯電話を思い出していただければ分かりやすいと思うのですが、携帯電話の普及率が2%ぐらいしかないころは、客単価が4万円あったわけです。それが10~20%になるころには1万5000円に下がって、50~60%超えるころには8000円になって、今みたいに70~80%になったら、6000円なわけです。これはなぜかというと、貧民効果と呼びますが、客数を増やせば増やすほど、マーケティング用語で申し訳ないのですが、悪い客をつかまえに行かなければならないからです。今、新規で携帯を持つ客って誰かというと、中学生とご老人です。その方たちが、第一線で働いている人のように2万も3万も払えるわけがありません。そうすると、2000円とか3000円のプランを用意しますから、顧客単価は下がっていきます。

 4番目は、一体どこで顧客単価を上げればいいのかということなのですが、これは当たり前の話ですが、顧客の持つニーズ、あるいはコンプレックスを解消してあげるということが一番単価を上げやすい鍵になります。コンプレックスをもう少し簡単に言いますと、欲求ですよね。欲求の中で一番簡単なのは、多分食欲みたいな欲求があるわけですけれども、食欲以外では、やっぱりモテたいとか、金持ちになりたいとか、もっと頭がよくなりたいとか痩せたいとか、いろんな欲求があるわけです。なぜ私たちがお金を大好きかというと、別にお金が好きなのではなくて、お金を使うことによって得られる効用が大好きなわけです。なので、コンプレックスを刺激するような名前とか、あるいは物というのは、顧客単価、お財布のヒモが緩みがちになるわけです。

 5番目になりますが、プライシングとは顧客が気持ちよくお金を払ってしまう仕組みということ。一番簡単な事例として本で挙げているのは、「松・竹・梅」のプライシングです。何で松と竹と梅が必要なのか分かりますか? これは、それぞれ気持ちよさが違う人たちが3種類いるからです。松は、高いものを買って満足する人たち。一方、梅の人たちは何かというとすごく節約したということに対して満足する人。真ん中の竹の人たちは、中庸であるということに満足する人。つまり松、竹、梅がなぜ大事かというと、気持ちよくみんながお金を支払えるからです。
その4に続く、全7回)

勝間式「利益の方程式」
~ 商売は粉もの屋に学べ! ~

勝間和代 著
■価格:1,575円(税込)
著者考案の「万能利益の方程式」を活用し、あらゆる会社の利益を最大化する方法を解説。4つのルールと40の行動習慣で学ぶ「サラリーマンでもわかる利益の作り方勉強法です。

勝間和代(かつま・かずよ)
経営コンサルタント、証券アナリスト、公認会計士などを経て独立。2005年にウォール・ストリート・ジャーナルの「世界で注目したい50人の女性」に選出されるほか、2006年にはエイボン女性大賞を最年少で受賞。著書印税チャリティ活動「Chabo!」を発起し、教育・自立支援活動も精力的に展開している。著書に『勝間和代のインディペンデントな生き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)など
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/
(勝間和代公式ブログ)
http://www.jen-npo.org/chabo/(Chabo!公式サイト)
http://www.jen-npo.org/chabo/chablog/(Chabo!ブログ)
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