ローソン「最高価格ロールケーキ」投入のワケ ゴディバと共同開発、価格は1個395円

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「当初は2月か3月には共同開発した商品を展開したいと思っていたが、ゴディバさんに納得していただける商品がなかなか作れなかった」。ローソン商品本部の涌井和広副本部長はそう振り返る。

今回のロールケーキ開発にはローソンの担当者に加え、ゴディバのパティシエ、三菱商事グループのパティシエが携わった。ローソンの担当者が試作品を作っては、東京都内にあるゴディバの開発施設に持っていく日々が続いた。完成するまでに作り直すこと10回。当初の発売予定だった3月になって、ようやく今回のコラボ商品であるロールケーキの原型ができ上がった。

チョコレートの原料についてはゴディバ側が細かく指定し、すべて欧州から直輸入した。6日の発売に間に合わせるため、原材料はすべて船便から空輸に切り替えた。

三菱商事のネットワークを活用

今後もローソンは「こうした有名ブランドとコラボしたスイーツを月に1度は出していきたい」(涌井副本部長)。7月にはゴディバ以外の企業とコラボした商品が出る予定だ。具体的な商品や協業先は明らかにしていないが、「冷たいスイーツを出す」(同)とのこと。ゴディバとの取り組みについては、今回のロールケーキで終わりというわけではなく、すでに第2弾に向けた準備を進めている。

今年2月、三菱商事の子会社化について発表する竹増貞信ローソン社長(左)。隣は三菱商事・生活産業グループCEOの京谷裕氏(撮影:鈴木紳平)

今年2月に完了した三菱商事によるTOB(株式公開買い付け)によって、ローソンは三菱商事の子会社となった。「三菱商事のグローバルのネットワークを活用することで、今回のようなコラボ商品を生み出すことができた。今後もこういう機会を増やしていきたい」(涌井副本部長)。

ファミリーマートとサークルKサンクスがブランド一本化を果たし、国内店舗数では3位に転落したローソン。日販(1日当たり1店売上高)も、業界首位のセブンとは約15万円の差をつけられている。トップとの差を縮めるためにも、客数増につながるコラボ商品を展開し続けられるかが一つのポイントとなる。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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