日本企業の格安スマホも実は「中華スマホ」だ

自社開発ベンチャーが次々登場しているが…

だがそもそも、プラスワンは設立して5年程度の若い企業だ。従業員も2017年4月時点で173人と決して多くはない。にもかかわらず、同社がこれだけ多くのスマホを安価で提供し、海外展開まで実現できるのはなぜだろうか。

プラスワンの現在のフラッグシップモデル「KIWAMI 2」。10コアCPUを搭載しながら4万9800円というコストパフォーマンスの高さが特徴だ(著者撮影)

実は中国や台湾には「ODM(生産者のブランドで製品を設計・生産すること)」と呼ばれる、スマホなどの設計や生産を専門に手掛けるメーカーが多く存在する。そこでプラスワンは、端末の設計の多くの部分は自社で手掛け、一部の設計や生産を外部の企業に委託することにより、安価にスマホを提供しているのだ。

とはいえ、ODMを活用する手法は家電やパソコンなどで古くからなされており、別段珍しい手法ではない。スマホにおいても、アップルが台湾・鴻海精密工業(電子機器を受託生産するEMSの代表格)などに生産を委託し、iPhoneを大量生産していることはよく知られている。

フランスが発端、世界的にもODM活用が進む

世界的に見ると、同じ手法で成功を収めたのはフランスのウイコウ(Wiko)という企業だ。同社も2011年に設立されたベンチャー企業だが、中国などのODMメーカーを活用。ポップなデザインで、十分な機能を備えながらも、非常に安価なスマホをそろえることに成功したのだ。

中華系のODMメーカーを活用した少量多品種生産で成功を収めたフランスのウイコウ。今年2月には日本に進出し、第1弾モデル「Tommy」を投入した(著者撮影)

ウイコウも欧州やアフリカ、中東、アジアなど海外にも積極的に進出。今年2月には日本進出も果たした。短期間のうちに欧州を代表するメーカーに成長している。

ODMの活用は、単に安価な端末のラインアップを多く提供することだけにとどまらない。少ない台数であっても安価な価格で生産できるようになったことから、より独自性を持つスマホを作るためにODMを活用するケースも増えている。

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