FACTA「東芝大裏面史」に書かれていること

安倍政権直撃!「東芝が死ぬに死ねない理由」

会社の危機がここまで迫ってまで、なぜ東芝はウエスチングハウスを支えようとしているのだろうか(撮影:今井康一)
「そうだ――眠ってるんだ。起こさないでくれ――このまま死なせてくれ!」
この本の中に出てくるエドガー・アラン・ポーの小説の一節からの引用を読むと、東芝問題の見え方がまったく変わってくる。
いつ倒産するのかが問題ではない。もうすでに死んでいる会社が今も生き長らえている。それはなぜなのか。
会員制情報誌『FACTA』(ファクタ)は、元日本経済新聞の伝説の記者阿部重夫によって2006年に創刊されて以来、東芝についてはその折々に鋭い記事を書いてきた。そのFACTA編集部が2006年10月の米原発メーカー、ウエスチングハウス買収から始まる壮大な『東芝 大裏面史』(5月29日発売)をまとめた。阿部と向き合い本を作った文藝春秋国際局の編集者がつづる。

 

2015年7月、内部告発による粉飾決算の発覚で歴代3社長が責任を取って辞任。それまでの上層部の権力争いも顕在化し、今春には2016年4~12月期の決算報告を2度にわたって延期した末に5300億円を超える赤字決算が明らかになるなど、東芝の混乱は一向に収まる様子がない。19万人もの社員を抱える大企業はなぜ危機に陥ったのか。

東芝「第二の減損」の戦犯

その主因は、アメリカの大手原発会社ウエスチングハウスを法外の値段(競合の三菱重工が提示した3倍の額54億ドル)で買収したことにあるとはよく言われてきたことである。確かに、2年連続しての巨額の赤字は尋常ではない。会社の生き残りのために虎の子のメディカル部門や半導体部門を切り売りしても、はたして倒産を免れることができるのか。誰もが疑問に思ったことだろう。

そんな頃、会員制の総合月刊誌『FACTA』に"東芝「第二の減損」の戦犯"という記事が出た。そもそも2006年、東芝に背伸びをさせ、ウエスチングハウスを高値づかみさせたのは当時の資源エネルギー庁の原子力政策課長で現在は経済産業省のナンバー2の座にいる人物である、という内容だった。

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