新生銀行がレイクを傘下に “巨額買収”の裏事情

新生銀行がレイクを傘下に “巨額買収”の裏事情

新生銀行が、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が「レイク」の名称で消費者金融業を展開するGEコンシューマー・ファイナンスを買収すると発表した。

消費者金融業界は、過払い金返還請求訴訟の嵐に見舞われており、中堅以下は相次いで倒産・撤退に追い込まれている。GEも見切りをつけた形だ。レイクをめぐっては、プロミスとアコムも名乗りを上げたが、価格面で決裂。3000億~4000億円との買収価格が取りざたされた。

実は今回の発表では、買収価格は必ずしも明確でない。「5800億円」と広く報道されているが、これは株式取得額とは別物。新生・GE双方の発表文によれば、5800億円は「デット(=負債)およびエクイティ(=資本)合計の支払い総額」。つまり、新生が引き継ぐ借金も含むわけだ。

負ののれん代が発生か

昨年末でGEコンシューマー・ファイナンスの資産は約1兆円。それに対して純資産はわずか583億円だ。その差額に当たる負債をすべて引き継ぐとすれば、実質価値は大幅なマイナスと評価されたことになる。

9月の買収実行時に承継される資産や負債の内容は動いている可能性もあり明らかでない。ただ、いずれにせよ、実際の株式取得額はかなり低いはずだ。とすると、買収時に新生は負ののれん代を計上する可能性があり、その分が利益のカサ上げとなる。

もう一つのポイントは、今回の買収に際し、過払い金の補償負担契約が付いていることだ。2030億円を超えて過払い金が発生した場合、GEが折半で負担、さらに2600億円以上はGEが単独で負担する。買収実行時には最大2060億円の追加引当金が“持参金”として新生にはもたらされる。買収後に新生の負担は発生しない。

業界では法改正により2年後に上限金利が引き下げられ、融資総量規制も導入される。市場収縮に伴う貸倒率上昇懸念もあり、将来の事業リスクはなお高い。

新生は国が第2位株主であり、経営健全化計画で今期700億円の最終利益を公約する。越えるべきハードルは高い。今回の買収は、安い買い物で目先の利益を計上する一方、将来にわたってはリスクを残す形だ。

(大崎明子 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

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