iPhone失速?「販売台数減少」はヤバいのか 注目すべきは売上金額と平均販売価格だ
アップルは米国時間5月2日、2017年第2四半期(2017年1~3月)決算を発表した。売上高は529億ドル(約5.9兆円)で前年同期比5%の成長を記録した。アップルのビジネスの65%を占めるのがiPhoneの売上高であり、「iPhoneは売れているのか」はアップルの経営陣や投資家だけでなく、一般の人々にとっても関心事となっている。
iPhoneの販売台数は5080万台で、前年同期の5120万台を1%下回る結果となった。アナリストの予想は5250万台で、こちらも下回っている。iPhoneの販売台数は2016年第2四半期から前年同期割れを続けてきたが、2017年第1四半期に盛り返したかに見えた。しかし再び、前年同期割れの結果となった。この一見するとヤバいようにみえる結果をどのようにとらえればいいだろうか。
注目すべきは売上金額と平均販売価格
iPhoneの販売台数が前年を上回る力を取り戻していない。そんな評価も下すことができる。あるいは今後も、iPhoneの販売台数が昨年を上回るシーンを目にするのは「珍しいこと」になるかもしれない。
しかしアップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は、前回の決算発表でも、iPhoneの成長について自信を見せていた。その理由となる点が目立ったのが、今回の決算発表だった。
まずはじめに注目すべきポイントは、iPhoneの合計売上金額だ。前述のとおり、5080万台と前年同期比1%減だった販売台数に対し、iPhoneの売上高は332億4900万ドル(約3.7兆円)で、前年同期比1%増となった。
また、カンファレンスコール(電話会議)では、iPhoneの平均販売価格について、655ドル(約7万3000円)であることが示された。前年同期は642ドル(約7万2000円)であったことから、13ドル上昇した。この平均販売価格は、今後のiPhoneの成長、というよりはiPhoneから得られる収益の成長にとって、重要な指標といえる。
単純な話だが、販売台数が横ばいでも売り上げを伸ばすには、単価の上昇を行うことになる。クックCEOがiPhoneの成長に自信を見せる背景には、今後も平均販売価格が上昇を続けるとの見立てがあるからだろう。
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