森友関連質問を封じる「強行採決」の異常事態

法案と関係ない質問をしたら審議十分なのか

4月11日、米国の超党派議員団を官邸に迎えた安倍首相。安倍首相の意向を忖度(そんたく)する態度は国会運営にまで及んでいる(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前代未聞の「採決無効の申し入れ」となった。4月12日の衆議院厚生労働委員会での出来事だ。審議されていたのは介護保険関連法の改正。改正のポイントは、現役並みの所得がある高齢者が介護サービスを利用する際の自己負担比率を現行の2割から3割に引き上げることだ。

この日の厚労委員会では審議のみで、採決は14日に行われることが内々に決まっていた。野党に割り当てられた質問時間は1時間半で、当初の1時間より30分間増やされた。というのも、2時間の質問時間を求めた民進党らに対し、自民党が譲った結果になったからだ。ここまでは両党ともに熟議を求める姿勢に変わりない。

「法案以外の質問をするということは審議が十分」

ところが民進党の柚木道義衆議院議員が、質問の冒頭で森友学園問題について言及したことで、問題は発生した。柚木氏はNHKの世論調査のデータを基に、国民の約8割が政府の説明に納得していないこと、安倍昭恵夫人や迫田英典前理財局長の証人喚問が必要とする回答が不要とする回答の約2倍に上っていることを指摘し、昭恵夫人と迫田氏が公の場で説明するように安倍晋三首相に求めたのだ。

これに対して自民党は激しく反発。途中で審議をやめたうえ、午後には強行採決に踏み切った。

その理由は柚木氏の発言が「発言は、すべて議題外に渉り又はその範囲を超えてはならない」と規定する衆議院規則第134条違反であるとともに、自民党が「法案以外の質問をするということは、審議が十分だということで、採決しても構わない」と判断したためだ。また11日午後に開かれた理事懇談会で、自民党は民進党に事前に「法案以外の質問はしないでくれ」と申し入れてもいた。

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