JR東が作ったピクルスはなぜ酸っぱくない?

関東、東北各地の特産品から次々と商品開発

「上越線ピクルス」は沿線を産地とする野菜のみを使用している(記者撮影)

群馬県渋川市で「渋川飯塚ファーム」を経営する飯塚公知さん、歩さん夫婦は、無農薬ハーブの栽培や加工品の製造販売を行っている。ハーブとフルーツを組み合わせたジャムやハーブティが人気だ。そこへJR東日本から突然、「ピクルスを作ってみませんか」という打診があった。飯塚家ではピクルスを食べる習慣がなく、ピクルスを作ったこともない。

6次産業という言葉を知っているだろうか。農業・水産業者が食品加工や流通販売にも踏み込んで業務展開する経営形態を指す。農業(1次産業)、加工業(2次産業)、流通業(3次産業)を足し合わせて、6次産業と呼ばれている。

JR東日本は各地の特産品に地域の加工技術を組み合わせ、JR東日本グループのプロデュースにより商品開発を行い販売する「のもの1-2-3」という取り組みを行っている(「のもの」は「旬のもの」「地のもの」「縁のもの」に由来)。各地の農林水産物の6次産業化に向け、地域における新たな産業の創出を目指すプロジェクトだ。

JR東の営業担当者がスカウト

東北や関東の各県でプロジェクトが進んでいる。たとえば、青森県では地元産のりんごを使ったシードル(リンゴを発酵させて造るお酒)、秋田県では「あきたこまち」を使ったクラッカー、長野県ではジビエ(野生鳥獣)の肉を使ったハンバーガーを開発。JR東日本の主要駅構内や駅ビルなどで販売している。

福島県いわき市では、太陽光を活用できる栽培施設を新たに建設し、地元農家と提携して年間600トンのトマトを生産、JR東日本のホテルやレストランに販売している。

JR東日本高崎支社でも、プロジェクトを進めてくれる業者を探していた。営業担当者は2~3年前から高崎駅構内の産直市に毎月顔を出して、これはという業者に声を掛けていた。そんなときに目に留まったのが飯塚さん夫婦だ。商品開発の熱心さが際立っていると感じたという。

2016年1月にプロジェクトへの参加を打診し、「いろいろなアイデアを出し合っているうちにピクルスで決まった」と営業担当者は話すが、公知さんに言わせれば「いえいえ、提案は最初からピクルス一本でしたよ」(笑)。

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