今はいったん日本株を売った方がよいのか? トランプ大統領の「次の一手」が大いに心配だ

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しかし、継続的、あるいは致命的な被害がないことがわかると、米国による北朝鮮攻撃が本格化する口実となるので、「個々の日本企業は無事だ」として、次第に株式は買い戻されるような展開になる可能性がある(「必ずそうなる」と言っているのでも、「それが望ましい」と言っているのでもないことに注意されたい)。

東日本大震災の際に、「このような時に、(空売り等で)株で儲けようとする人間がいるのは、けしからん」と怒ったヘタレ文筆家がいたが(名指しはしないでおいてあげよう)、他人からお金を預かって運用しているプロは、いかなる機会にあっても他人のお金のために最善を尽くす義務があるのであって、資本市場の参加者に怒りを向けるのはお門違いだ、と申し上げておく。

そして、市場の取引にあっては、プロとアマの分け隔てはない。 iDeCo(個人型確定拠出年金)で、投資信託を買い始めたような初心者投資家も、自分がそうした場に参加しているのだという覚悟が必要だ。

今は「手持ちの金融資産を点検すべき時」

一方、トランプ氏の諸々の「暴発」の可能性が実現しなかったとしても、このほど公開された3月に利上げを決めたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨を見ると、FRB(米連邦準備制度理事会)が、現在の米国の株価を高いと思っているらしいこと、米景気は好調であること、場合によっては年内にFRBのバランスシートの縮小に着手する可能性があることなどが、示唆されていた。

米国の経済は相変わらず順調と言っていいが、仮に今後順調であるとしても、金融引き締めの圧力がじわじわ増してくることは計算に入れておかなければならない。

もちろん、こうした諸々の考慮が反映した結果が、日経平均で言うと「3週間で1000円安」なのであって、現段階で株式を積極的に売るべきだとは申し上げていない。ただ、投資家には、「平時よりも大きなリスクを持つのは、不適切な可能性があるので、手持ちの金融資産を点検しておいて下さい」と申し上げておきたい。

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