企業が求める能力と学生のイメージする能力には、ミスマッチがある――。
3月1日の採用広報解禁から早くも1カ月が過ぎた。経団連が指針とする「選考は6月から」を待たずに、面接選考を始めている企業が増えてきている。そこで今回は、学生が就職活動でアピールできると考えている能力と、企業が学生に求めている能力との違いを見ていきたい。
大学で通用する"コミュ力"ではない
まず、企業が学生に求める能力を見ると、トップは「コミュニケーション能力(コミュ力)」で、約8割もの企業が重視すると回答している。2位とは30ポイント以上もの差があり、企業規模や業種による偏りはない。
コミュニケーション能力は、社会人として最も基本的な能力とも言えるが、これが意外と難しい。学生の面接をしていると、「私は初対面の人ともすぐに打ち解け合うことができ、コミュニケーション能力には自信があります」とアピール学生に必ず出くわす。だが、ビジネス現場で求められるコミュニケーション能力を、そもそも誤解している。
学生の言う「初対面の人」は、同年代という人が多く、「打ち解け合う」にしても、会話を弾ませることができるという趣旨で使っている。それは表面的な会話力に過ぎない。しかし、ビジネスの現場でのコミュニケーション能力は、多岐にわたる。
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