ライトオン、ヒット不発で初営業赤字の危機 今期2度目の下方修正、改善策は実を結ぶか

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今後の改善策として、商品計画の精度向上を図る。これまでは年度や半期、月度といった区分で売り上げや利益などの目標を立ててきたため、実需に合わせた商品展開が不十分であった。今後は、目標を週ごとに短縮して組み立てる。またシーズン別・商品グループ別の単位で計画していたところを、個別の品番ごとに細分化していく。

原宿に旗艦店を出すことで新顧客の獲得や認知度向上を図る狙いがある(記者撮影)

ライトオン業態以外の柱を育成するため、3月以降は新業態の出店も始めた。20~30代の男女をターゲットとしたウエアや雑貨・インテリアも扱う「ノーティードッグ」を3月17日に9店舗同時オープン、この春夏シーズンだけで、合計28店舗を青森から沖縄まで全国で展開する。家族向けのコーディネートを展開するだけでなく、同社初となるドッグウエアを取り扱うことも特徴だ。

SCからの引き合いが活発

当初、この新業態で10店舗程度の展開を見込んでいたが、SC(ショッピングセンター)側からの引き合いも強く、当初予定数を引き上げた。それには既存業態と差別化できる新規テナントを誘致したいというSC側の思惑もある。

SCでは、衣服だけではなく雑貨などと組み合わせたライフスタイル提案型と呼ばれる業態がはやりで、「ノーティードッグ」もこうしたSC側のニーズに合致したといえよう。

決算説明会の結びで横内達治社長は、「下半期の課題は明確になっております。来期以降は復活します」と力を込めた。消費環境が厳しさを増す中、ジーンズカジュアルの雄は復活の道筋を描くことができるのか。来期に向けてその真価が問われることになる。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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