Jリーグ1000試合の日程、40分で決まるワケ 試合日程を決めるのは鉄鋼会社の技術だった

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2017年1月1日、吹田市の市立吹田スタジアムで行われた天皇杯決勝。鹿島は川崎下し2冠を達成した。この直後から2017年の日程作成が始まる(写真:共同通信社)

今年もJリーグが開幕した。リーグ戦、YBCルヴァンカップ、天皇杯という3大タイトルを目指し、これから9カ月間、合計57チームがしのぎを削るわけだが、この間に開催される試合数は1000以上に達する。

リーグ戦の合間にルヴァンカップの日程や国際大会、天皇杯の予選、本戦が入り込むJリーグの日程は複雑を極め、その試合の組み合わせを決める作業は当然に難易度が高い。

その難易度の高い作業をこなしているのは当然に人ではなく、「日程くん」と命名されたシステム。基になっているのは、重厚長大産業の代表格である製鉄会社が、最も効率的に製品を製造するために編み出した、「組み合わせ最適化技術」なのである。

初代日程くんの登場で作業速度が向上

現在、J1は18、J2は22、J3は17のチームが参戦している。リーグ戦はJ1、J2、J3とも2回ずつの総当たりとなっている。試合日程の組み合わせの数は、実にJ1で10の255乗とおり。J2に至っては10の421乗とおり。選択肢は膨大だ。

日程決めにあたっては、ホームゲームの開催曜日や試合間隔、ホームゲーム、アウェーゲームが3試合以上連続しないような配慮など、クラブ間で公平性を保つ必要がある。

そのうえ、Jリーグの本拠地スタジアムは大半が自治体所有。他のスポーツやコンサートなどのイベントで使用できない日も多いし、FC東京と東京ヴェルディのように、同じスタジアムを本拠地にしているクラブもある。

Jリーグの日程決めは、国際大会の開催日程や日本代表の日程との調整を前年から行いながら暫定的に準備を進めているが、J1とJ2、J2とJ3の間の昇格、降格が12月初旬にならないと決まらない。

最終的に日程が決まるのは、元日に行われる天皇杯の決勝終了後。というのも、天皇杯優勝クラブとJリーグの上位3クラブがアジアのトップクラブを決めるACL(AFC・チャンピオンズ・リーグ)への出場権を得るからだ。

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