革新機構・志賀会長「東芝は検討していない」

駆け込み寺化する官民ファンドのトップ激白

インタビューに答える志賀俊之・産業革新機構会長兼CEO(撮影:梅谷秀司)
昨年はシャープを巡り台湾の鴻海精密工業と買収劇を繰り広げた産業革新機構。(INCJ)日本の電機メーカーの名門が存亡の危機を迎えるたび、救世主としてその名が挙がってきた。現在崖っ縁に立たされている東芝に手を差し伸べる心積もりはあるのか。志賀俊之会長兼CEOに聞いた。

 

――会長就任から2年が経ちました。官民ファンドには社会的意義と儲けの両方を追求しなければいけない難しさがあります。経営で意識していることは何でしょうか。

個々すべての案件で必ずリターンを得るのは難しい。われわれは全体のポートフォリオの中で、結果的に国民のおカネを失うことのないようマネジメントしている。個別に利益を出そうとすると、民間のベンチャーキャピタルのようにある程度利益が出る見込みがある企業にしか投資できない。創薬ベンチャーなど、国民の役に立つ企業に成長するかもしれないがリスクの高い企業への投資もわれわれは行う。要はバランスだ。ある程度リターンが見込めるプロジェクトもやりつつ、リスクをとっている。

――その結果、民間ファンドより収益性が低いという指摘もあります。

収益管理は民間とほぼ同じ意識でやっている。ただ、民間と違うのは、社会的意義を考えイグジット(投資回収)する点。「誰でもいいからとにかくカネになればいい」ということはなくて、日本の技術として育ててくれる日本の会社さんにバトンタッチすることを考えている。

ルネサスは成長軌道に乗ってから売却

――傘下の半導体メーカー・ルネサスエレクトロニクスの株価が高水準だが売却をしていないのも、相手を見定めているからでしょうか。

ルネサスは構造改革を経て利益が出る体質になってきた。米同業大手のインターシルの買収もやった。まだ(機構が解散予定の)2024年まで時間があるのでルネサスを成長軌道に乗せてからイグジットするのが筋かと考えている。もうちょっと保有していた方が儲かるかな、というのもあるが(笑)。

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