森永乳業が「シールド乳酸菌」で稼げる理由

導入企業は100社超、ポテサラやとん汁にも

あちこちで見掛けるようになった「シールド乳酸菌」。森永乳業が2007年に発見した独自素材だ(記者撮影)

“たべるマスク”の愛称と赤いパッケージがひときわ目立つ、森永製菓の「シールド乳酸菌タブレット」が、全国のドラッグストアやスーパーで爆発的に売れている。2016年9月の発売から、たった1カ月で半年分の売り上げ目標を達成した。これほどのスピードで売れる商品は、同社でもなかなかないという。

明治ホールディングスの「R-1」をはじめとする機能性ヨーグルト市場の拡大とともに、乳酸菌応用商品の市場規模は2015年に6000億円を突破した(総合企画センター大阪調べ)。森永製菓はヨーグルトが日もちせず、持ち運びに不便であることに着目。ヨーグルト味のタブレットに乳酸菌を加えることで、手軽さと健康イメージの両面を訴求することに成功した。

味への影響を抑え、熱や水にも強い

「シールド乳酸菌」は、森永製菓との経営統合もうわさされる兄弟企業・森永乳業が発見した独自素材。腸の免疫細胞に働きかけて免疫力を高める、ヒト由来の乳酸菌だ。盾(シールド)のように、外敵から人の体を守ることから名付けられた。インフルエンザの感染を予防する働きも報告されている。

永谷園のみそ汁に採用されたことがヒットのきっかけとなった(写真:永谷園)

生菌と呼ばれる生きた乳酸菌は熱や水分に弱い。が、シールド乳酸菌は死菌であり、サラダやとん汁などの加工食品に応用しやすい。

最大の特長は、少ない量でも効果を出せることだ。「従来は何千億個、何兆個など数の競争になっていたが、乳酸菌は多すぎるとすっぱくなることがある」(森永乳業・食品素材事業部の古田雄一郎氏)。シールド乳酸菌は約100億個で効果を発揮するため、味への影響を最小限に抑えられるという。

森永乳業がシールド乳酸菌を発見したのは2007年のこと。それから7年かけて商品化にこぎ着け、地道な営業努力を重ねてきた。2016年2月、大手食品メーカーで初めて永谷園が採用し、「シールド乳酸菌M-1みそ汁」を発売すると「各社の注目が一気に集まった」(古田氏)。

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