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北朝鮮スパイと「陸軍中野学校」を結ぶ点と線 日本は貴重な歴史の教訓に目を向けるべきだ

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  • 高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
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その例として、工作員の養成方法や、ある国の人に成り済ましてしまう忍者の「草」を植え付けるようなスパイのやり方、風船や気球の使い方、偽札戦略などは、どれも日本人の戦術だったと指摘している。

高氏もその本の中で「陸軍中野学校という究極の情報機関は、北朝鮮の工作機関の手本」になったと指摘し、次のように述べている。

「(韓国の)国防省の情報本部にいたときは、『北朝鮮のスパイ工作機関が優れた工作活動をしているのは、大日本帝国時代の陸軍中野学校の教科書を使ってスパイ活動のノウハウを覚えたからだ』と聞いていました」

「佐藤さんがおっしゃるとおり、中野学校出身者の人たちが北朝鮮に入り、戦後、しばらく日本に戻らなかったと考えるべきでしょう。北朝鮮が中野学校出身者の経験を利用して、一緒にスパイ工作機関を設立したのだと思います」

「北朝鮮は、旧ソ連のKGBや中国の情報機関、あるいは共産主義国家の諜報機関のテキストや経験からも学んでいます。そのなかでいちばん受け入れやすく覚えやすかったのが、陸軍中野学校の情報テクニックだったということなのでしょう」

映画「陸軍中野学校」が教材に

このほかにも、陸軍中野学校と北の工作機関との関係性を指摘する証言がある。2005年11月5日付の産経新聞の記事によると、北朝鮮の元工作員、安明進(アン・ミョンジン)氏は金正日政治軍事大学にいた際、映画『陸軍中野学校』を教材として何度も見せられていたという。

また、横田めぐみさんも曽我ひとみさんも、一緒にこの映画をスライドで見たという。ただし、安明進氏は、拉致被害者の蓮池薫さんを工作員養成のための学校で見た、という証言がうそだったことを告白するなど、発言の信憑性には疑問を呈する声もある。

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【陸軍中野学校は「死ぬな、殺すな」】

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