自動車関連以外では6位のSCSKが、昨年の14位から大きく順位を上げた。平均取得率も昨年の90.5%から96.1%へと5.6ポイントも上昇している。同社は2011年に旧・住商情報システム(SCS)がCSKを吸収合併して誕生した会社で、合併後の新会社は従業員の健康増進のためのキャンペーンを展開、そしてワーク・ライフ・バランスへの取り組みへとトップ主導で進めてきた。
具体的には、2012年から「有給休暇取得率90%」を目標に有給休暇の取得推進の取り組みを開始、2013年度以降は「有給休暇取得率100%、平均月間残業時間20時間以下」を目標として設定し、達成した部門にはインセンティブを与えるという制度を導入した。また半日有給休暇制度は付与日数分のすべてで利用でき、年間3日を上限に1時間単位での取得も可能だ。
さらに学校行事や疾病予防、家族の看護を理由に取得できる両立支援休暇(上限5日)、有給休暇の残日数がゼロとなっても年間5日まで休暇を取得できるバックアップ休暇など、さまざまな休暇制度を設けている。同社の有給休暇取得率の推移をみると、合併した2011年度は65.0%、2012年度は78.4%だったが、取り組みがスタートした2013年度は95.3%、2014年度97.8%、2015年度95.3%と急上昇しており、その成果が明確に現れている。
一般的に取りにくい金融と小売業の上位は?
一般的に有給休暇がとりづらいとされる業態が金融と小売業。金融では保険から25位にかんぽ生命、銀行から35位にゆうちょ銀行が筆頭でランクインした。両社とも昨年の順位はないが、かんぽ生命は平均取得率89.4%、ゆうちょ銀行は85.8%と相当高い水準にある。保険では住友生命が85位(平均取得率75.9%)、ライフネット生命が108位(同73.3%)と続き、銀行では54位のセブン銀行(同80.3%)、190位の千葉銀行(同66.9%)と続く。ちなみにメガバンクでは、みずほフィナンシャルグループが233位だ。
小売業では三越伊勢丹ホールディングスが39位。年4回、最大1週間の連続休暇を設定し、有給休暇の取得を促しているほか、2年間で失効する有給休暇を積み立てて、育児や子どもの学校行事などに利用できるストック有休制度を設けている。同社は、傘下の三越と伊勢丹の一部を除く店舗で2016年1月2日を休業日とすると発表し話題を集めた。2017年はさらに適用店舗を拡大、営業時間の短縮とあわせて働き方の見直しを進めている。
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