弁護士が語る「悪賢い成功者」の悲惨な末路 1万人の人生からわかった強運な人の共通項

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こういう人は、結局は仕事もうまくいかないようです。他人をだましたり傷つけたりすると、一時は大金を得たとしても、いつかは逆にだまされたり傷つけられたりして、失ってしまうからです。

つまり、悪い人と付き合っていると、不幸な人生になってしまいます。

運を良くしたいのなら良い人と付き合う。これが、ベテラン弁護士としての経験則です。

「争わない」生き方のすすめ

また、弁護士がこのようなことを言うのは意外に思われるかもしれませんが、47年間にわたり1万人以上の人生を見てつくづくと感じるのは、「争っても、いいことは何もない」ということです。

なぜなら、争うことで運が悪くなるからです。

たとえ訴訟に勝って大金を手に入れたところで、運を悪くしては何もなりません。実際、争いで手に入れたおカネはすぐに失うことになりがちです。たとえば遺産争いで大金を得ても、危機を迎えたとき、誰も助けてくれないということにもなりかねません。私は弁護士として、そのような転落をうんざりするほど見てきました。

また、不思議なことに、裁判で勝った後に不幸になる人が珍しくありません。勝訴を勝ち取った後に会社が倒産してしまったり、不渡り手形をつかまされたり、経営者が交通事故に遭ったりする例を多々見てきました。

非科学的だと思われるかもしれませんが、恨みを買ったために、運が落ちてしまったのではないでしょうか。冷静に長い目で見てみると、こうしたことは世の中に意外に多いと気づくはずです。

争いはしないほうがいい。これが私の経験則となったのです。

良いことをすると運が良くなる

昔から「情けは人の為ならず」といわれてきました。

残念ながら今は、「人に情けをかけると、甘やかすことになって良くない」と誤解されていることも多いようです。でも、ご存じのように、本来の意味はまったく逆です。

「情けをかけるのは他人のためではなく、自分のためだ。なぜなら、他人に情けをかけると、回り回って、自分のためになるからである」

これが本当の意味です。

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