強烈なタブー、いったい「ブス」とは何なのか

自己啓発本にもなる一冊

ブスはブスという生き物である。それ以上でもそれ以下でもないただの現実だ(撮影:今井康一)

美人について書かれた書物は、数多く存在する。一方ブスに焦点を当てた本は、実に少ない。皆が触れてはいけないと思っているからだ。ブス――それは響きだけで人を殺すパワーをもった言葉。人道的な理由から、禁止令が出されてもおかしくないほどだ。

「ブス」の威力とは?

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私もタイトルを見たとき、強く惹きつけられるのと同時に、目を背けたくなるような感情に襲われた。レジへ持っていくまでに要したのは、実に1カ月の期間と4度の挑戦。 ブスが『ブスの本懐』を買う、これ以上の屈辱があるだろうか。しかし本書を読み始めてみたら、そんな瑣末なことで悩んでいた自分が馬鹿らしくなった。

本書は、日頃タブー視されがちな「ブス」という言葉を、これでもかというほど盛り込んでいる。ブスという言葉を避けるのではなく必要以上に用いることによって、最終的にブスとは何なのかを分からなくしてしまおうというのが、著者の狙いなのだ。いまだかつて、こんな画期的な解決策があっただろうか。 

「ブスであっても可愛くなろうと努力する限り可愛い」という軟弱な綺麗事に苦しめられてきた21歳のブスは、目からウロコが落ちる思いであった。当方、サラサラの黒髪と美肌、類まれなる大きな胸をもち、小中高を名門女子高で過ごし、現在は慶應義塾大学に通いながら本の執筆もしているブスである。

最後がブスで締められるだけで、美味しそうなご馳走は一気に毒物へと代わる。そうなるくらいなら、何も持たずに生まれてきた方がよほど諦めもつくというもの。 大トロを泥水の中にぶちまけてしまったような悲哀がそこにある。 大トロである事実は一切変わっていないのに、決して食べることはできない、それがブスの威力だ。

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