働かせ放題の「みなし残業」など存在しない

超過分の残業代を支払っていない企業は多い

定額残業代を採用していても、基準を超えて働けば、追加で残業代を支払う必要があります(写真:xiangtao / PIXTA)

「うちの会社は『みなし残業』だから、いくら働いても残業代は変わらないんですよね」。

働く現場で、よくこんな言葉を聞くことはありませんか。一般に、「みなし残業」とは、給与の中に一定の残業代を含んでいる給与体系を言います。ただ、これは法律で規定されているものではなく、会社ごとにその内容は異なります。みなし残業は通称で、「定額残業代」や「固定残業代」などと言います。よく混同されやすいものとして、裁量労働制に代表される「みなし労働時間制」がありますが、後述のように両者はまったく違うものです。

定額残業代でも、基準を超えたら追加支払いが必要

定額残業代の典型例としては、月〇時間分、または〇万円分の残業代を〇〇手当として毎月支払う、というもの。手当の名称は、「固定残業手当」や「業務手当」「営業手当」など、会社によってそれぞれ異なります。

ただ、固定の残業代を支払えば、働かせ放題でいいのかというと、決してそうではありません。たとえば、月30時間という基準があれば、実際の残業時間が30時間を超えた場合に、追加で残業代を支払う必要があります。こうした手続きを怠り、40時間、50時間……といくら残業をしても追加の残業代を支払わない、というのは明らかに違法です。

また、基本給は35万円で、ここにすべての残業代が含まれているから、これ以上はいくら働いても一切支給しない、といったやり方も認められません。すなわち、定額残業代を運用するうえでは、社員の実際の労働時間の把握ができていることが前提となります。

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