ケニア銃殺事件、建設業の海外展開に警鐘

日本人社員が強盗団に襲われ死亡

海外工事に従事する日本人技術者が強盗団に襲撃され、亡くなる事件が起きた。7月15日午前11時30分(日本時間同日午後5時30分)、アフリカのケニア南東部にあるモンバサの港湾工事現場近くで、施工を請け負う東洋建設の協力会社、イーストマリン社の社員、小川悟さんが車中で後方から銃撃され亡くなった。

銀行から下ろしてきたばかりの運営資金270万シリング(約270万円)は車中に残されていたが、別の鞄がなくなっていた。ケニア人運転手は逃げて無事。現金はローカルスタッフの給与等に当てられるものだったとみられる。16日深夜には、東洋建設の執行役員など3人の社員が現地に向かった。

工事は中止状態、再開のメドは立たず

現在工事は中止状態で、再開のメドは立っていない。現地の治安は悪く、出退勤が早朝や夜間になる場合には、車を使い集団で毎回ルートを変えるなど自衛策をとっていたが、日中であったこともあり、行動は運転手と二人だった。

東洋建設は、海外での工事経験はあるもののアジア圏がメインで、ケニアでの案件は初めて。2011年7月に受注したODA案件で、ケニア第2の都市、モンバサに東アフリカ最大の港湾を整備する大型プロジェクトが進められている(写真は完成予想図)。このうちのコンテナターミナルが東洋建設の請負部分、総額207億円、工期48カ月で、12月に起工式を行い、工事はこれから佳境に入るところだ。

国内建設市場が1990年代のピークだった82兆円から半分の40兆円にまで落ちたのが2010年。11年以降、震災復興関連で若干持ち直してはいるものの50兆円には届かない。この水準が5年程度続けば良いほう、という見通しの中で、建設業は海外工事の受注に力を入れ始めている。2012年の海外受注は1兆1828億円(海外建設協会)で、案件しだいで振れ幅が大きいものの、特にアジア、アセアン地域の鉄道などのインフラや工場、物流施設といった建築工事は徐々に規模が拡大する傾向にある。

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