トランプ赤字は世界経済の腰を折りかねない

積極財政のための借り入れ増は金利急騰招く

ワシントンにある米財務省。トランプ政権の積極財政にも振り回されそうだ(写真: Maui / PIXTA)

緊縮財政を掲げる保守的な政府は帳尻合わせを好み、再分配を望む進歩主義の政府はつねに大盤振る舞いをして財政赤字を増大させる──。これは定説である。ただし実際に政権を掌握すると、誰がツケを払うかを知りながら、優先度の高い政策実行のために借金をしたがるものだ。

発足したばかりの米トランプ政権も積極財政を掲げている。今後財政赤字は膨らむだろう。

財政赤字が膨らむ根本的な理由

1980年代後半にイタリアとスウェーデンの研究者各2人は、民主主義国で財政赤字が発生する仕組みを示した。基本的な理屈は次のようなものだ。人はそれが可能な限り、親しい者にカネを回し続ける。反対派が政権を握れば、そのカネの量は当然、減ってしまう。 

最近の米国経済史は、このイタリア・スウェーデンのモデルに沿ったものだった。しかし、共和党が常に財政均衡を追求し、民主党はいつも国の限度を超える積極財政に努めてきたという、よく聞く話は間違っている。

たとえば1980年代のレーガン共和党政権は、野心的な減税のために巨額の財政赤字を許容した。

一方、成功した大統領だと経済学者の大半が評価する民主党のビル・クリントン氏は緊縮財政で財政黒字化を達成した。1990年代末には、米政府の債務残高が減り続ければ米国債の流通が細り、国際金融市場が機能不全に陥るのではないかとの見方を示した研究者もいたほどだ。

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