「TPP離脱」にアメリカの農業団体が反発 輸出の先行きを懸念

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 1月24日、トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの正式離脱に関する大統領令に署名したことに国内農業団体が反発し、アジア諸国への農産物輸出押し上げに向けた代替策を示すよう新政権に求めている。写真はアイオワ州コーン畑。2012年7月撮影(2017年 ロイター/Adress Latif)

[シカゴ 24日 ロイター] - トランプ米大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの正式離脱に関する大統領令に署名したことに国内農業団体が反発し、アジア諸国への農産物輸出押し上げに向けた代替策を示すよう新政権に求めている。

不振が続く米国の農業セクターはこのところ輸出への依存度を高めていたが、TPPからの離脱を受けて先行きを懸念する声が強まっている。

米大豆協会のロン・ムーア代表は「TPPはわれわれにとって非常に有望で、ここ数年の優先課題だった。離脱には大いに失望している」と語った。

農業全般の不調が続く中、大豆は好調ぶりが際立っており、経済成長に対してもプラスに寄与している。ただ、堅調な大豆相場を支えているのは主に海外需要だ。農務省は2016─17年の大豆輸出が過去最高の20億5000万ブッシェルに達すると予想している。

米国は農産物の純輸出国で、TPPに参加する11カ国への輸出は15年に617億3500万ドルに上った。オバマ政権はTPPの発効によってさらに輸出が増えると見込んでいた。

チャールズ・グラスリー上院議員(共和党)は、トランプ氏がTPPの代わりに諸外国と個別に貿易協定を結ぶ意向を示唆していると明らかにした。ただ、2国間協定の交渉は何年もかかる可能性があると指摘。「簡単ではない。日本が最優先だ」と述べた。

中国めぐる懸念

国内農家や業界団体は、米国のTPP離脱によって諸外国の中国へのアクセスが拡大することを懸念している。

米飼料産業協会のジョエル・ニューマン最高経営責任者(CEO)は「(アジア太平洋)地域の競争激化と、米国を除外した新たな貿易協定によって米飼料業界は輸出の機会を失っている」と強調した。

米食肉輸出協会は、トランプ政権に貿易改善に向けた方策の具体案を示すよう求めた。

同協会のフィリップ・セングCEOは「われわれの業界が国外の顧客の需要に引き続き応じ、輸出機会をさらに拡大できるよう、新政権にはあらゆる可能な手段を使って米国を競争力のある地位に復活させることを求める」とした。

同協会の報道官は、TPPが発効していれば米国の食肉輸出は日本とベトナムで最も伸びた可能性があると指摘。「アジア太平洋地域へのアクセスは牛・豚肉業界双方にとって極めて重要」とした。

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