アリババが惚れた、越境ECベンチャーの正体

累計調達額は創業2年で47億円!

インアゴーラの翁永飆(おう・えいひょう)CEO。伊藤忠商事の出身だ(撮影:梅谷秀司)
“爆買い”とは比べものにならない巨大市場が、そこにはある――。中国人の若年女性を中心に、ネットを介して日本の化粧品や日用品、食品を日常的に買い物する「越境EC」が、ここ数年拡大の一途をたどっている。
そんな越境EC業界に、注目のベンチャーが現れた。中国国内の一般ユーザー向けにECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」を展開するインアゴーラだ。同社は昨年末、第三者割り当てにより3度目となる資金調達を実施。累計調達額は創業2年で47億円。これは日本随一のユニコーン企業(企業の評価額が10億ドル以上かつ非上場のベンチャー)と注目されるメルカリ(フリマアプリ運営)の同期間の調達額を上回る。
創業まもない段階で大胆な資金調達、事業展開に踏み込む同社に、勝算はあるのか。インアゴーラの翁永飆(おう・えいひょう)社長に聞いた。

最初から大きな絵を描いていた

――そもそも、なぜ越境ECに目を付けたのでしょうか。

僕が伊藤忠商事に入社した頃(1996年)、日中間の貿易の10分の1程度を伊藤忠が担っていた。ただ、一般ユーザーを対象にした消費財の越境ECは、伊藤忠にもほかの商社にもやれないと思った。

商社は一見、この商売に向いていそうだが、中の人がインターネット発想じゃないのがネックになる。商社は勝ちパターンが見えたところに資金を投下してビジネスを大きくするのは得意だけど、投資額と正比例しないネットのビジネスには向かない。しかも中国のネットビジネスは日本以上に複雑で、スピードも速い。

商社がダメだとすると、有力なのは日本のネット企業大手。でも、世界のネット大手の中にもこれといった成功例はない。日本で強みを持つ会社でも、中国の消費者側の仕組みをうまく構築できないところに限界がある。政策動向を読むのも難しい。

越境ECは日本側と中国側の運営がバランスよく回らないと成功しない。逆に、そこを構築できれば日本にはまだない会社を作れる。最初から大きな絵を描いていたから、早い段階で思い切った資金調達ができた。

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