子どもを叱り続ける人が知らない「3大原則」 日々の喧噪の中で忘れ去られた本質

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そのためにはどうするかといえば、ひとつの方法として「親が日々楽しんで生活している姿を見せる」ことが挙げられます。どのような事実、実態でも、見方はひとつではありませんね。プラスもあれば、マイナスもあるでしょう。それを理解したうえで、親が何でも楽しんでやろう!、プラス方面から楽しもうと、自分に思い込ませるのです。

そうすると、子どもは、その雰囲気にいつしか包まれ、活動することを楽しむようになっていくでしょう。その延長線上に、勉強などのやるべき事柄の活動があります。「子どもは、親の言うことはやらないが、親がやることを真似する」ということを忘れてはいけません。

第3原則:人間には最低3つの長所がある

子どもは、必ず最低3つは長所を持って生まれていると私は考えています(この3つに根拠はなく、ただの目安ですが、そのくらいは誰にでもあるはずです)。

その長所の中に、将来の仕事やライフワークの種があります。小学生の頃にはまだ見えないかもしれませんが、必ずあります。その種を見つけて、水をやり、太陽を注ぐと成長します。水とは、食事です。おいしくて健康的な食事です。そして太陽にあたるのは親の笑顔です。

子どもから遠ざかった3つのことをご存じでしょうか。それは「自然」「家族が働く姿」そして3つ目が「家庭の笑顔」といわれています。笑顔は、子どもに安心感と希望を与えることにもなります。

親が考え方を変える以外にない

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さて、このようにお話をしてきて、やはり親である岡田さんの考え方が変わらなければならないという結論なのですが、もしかしたら、「すべて自分が悪いのだ」と自分を責めてしまうことにもなりかねませんね。重圧もかかるかもしれません。それだけ母親は本当に大変です。食事を作り、子育てし、さらには社会で働きながらの場合もあります。これだけたくさんのことを日々こなし、子どもが反抗的であったり、言うことを聞かなかったりしたら、イライラするのは当然のことだと思います。

しかし、現状を変えるには、親が考え方を変える以外にないのです。それも、今までのことは水に流すか、今後の肥やしとして処理し、今後どうすれば楽しくなるか、面白くなるかをつねに考えることに意識を向けます。

それでもうまくいかないことがあります。1人になるとマイナス方向へと思考がすぐに戻ってしまう場合は、ほかの親御さんたちとの交流を広げたり、ポジティブな人たちと積極的に交わるようにされるとよいでしょう。よい雰囲気に自分も感化されていくことでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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