イオン、「GMS復活」への道程はまだまだ長い ブラックフライデーは盛況だったが・・・
高級住宅街として知られる東京・目黒区碑文谷。2016年12月、「イオンスタイル碑文谷」が新装開店した。
「金太郎アメのようで、どこのイオンに行っても同じ」──。全国一律の店舗展開が裏目となり客離れを招いていたイオンは、2015年から総合スーパー(GMS)の大型改装に着手。地域ごとの特性に合わせた専門性の高い店舗作りを推進してきた。
「ダイエー碑文谷店」の変身
同店はもともとダイエーの旗艦店だった。周辺には所得が高く流行に敏感な世帯が多い。そこで、クラフトビールと軽食を楽しめるバーや、米国で流行している野菜を小さく刻んだチョップサラダの売り場などを設けた。一部フロアの営業再開を待たず、改装から約2週間の売上高は前年比13%増と好調だ。
こうした改装の成果は業績にどのように反映されているのだろうか。1月11日、イオンは2017年2月期第3四半期(2016年3〜11月)の決算を発表した。売上高に当たる営業収益は6兆0998億円(前年同期比1.1%増)、営業利益は853億円(前年同期比5.6%増)。一見すると好業績にもみえるが、屋台骨であるGMS事業の営業損益は累計で350億円の巨額赤字に沈んだ(前年同期比91億円の赤字拡大)。
ただし明るい兆しはある。直近3カ月間の赤字額は(167億円と大きいものの)前年同期比では4億円縮小したのだ。
だが、この赤字縮小をもってGMS復活と見るのは早計だろう。
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