経済失速でも止まらない、中国鉄鋼増産の波紋

あふれ出た在庫がアジアの鋼材市場を攪乱

(Imaginechina/アフロ)

経済成長の減速感が強まってきた中国。だが、そうした経済環境とは裏腹に、同国内での鉄鋼生産は不気味なまでのピッチで拡大を続けている。

世界鉄鋼協会のまとめによると、中国の粗鋼生産量は2000年以降、一貫して増えてきた。その足取りはここ数カ月で一段と速まり、前年同月比6%超の伸びが続く。今年5月には、単月として過去最高となる6703万トンを記録した。

その裏側で、中国国内の需給ギャップは年々拡大している。中国の粗鋼生産能力と消費量の差は12年に1.9億トンと、05年の2倍近くにまで広がっている。これは日本の粗鋼生産量(12年度1億0730万トン)を大きく上回る水準だ。

行き場を失った鉄鋼製品は在庫として大量に積み上がっている。現地の大手鉄鋼メーカーが抱える在庫量は、13年初から2カ月連続で過去最高を更新した。

在庫が増えれば当然、価格も下がる。中国の鋼材市況は4年ぶりの安値水準に近づいている。すでに現地鉄鋼メーカーの業績は軒並み悪化。12年に国営大手6社で唯一、最終増益となった宝鋼集団も、事業譲渡による特別利益が業績を押し上げただけで、実質は大幅減益。鞍鋼集団と首鋼集団は最終赤字に沈んだ。

中央政府もこうした状況を放置してきたわけではない。粗鋼生産能力の野放図な拡大を見越して、06年から大手の老朽設備廃止や国営企業の再編、設備集約など、生産規模の抑制に努めてきた。

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