留学費用を「現地に行ってから稼ぐ」手もある 豪州では17年から35歳までワーホリ可能に?

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(2)オーストラリアの学生ビザでアルバイト

では、生活費を稼ぎながら勉強をしっかりする方法はないのでしょうか。1つの方法としては、オーストラリアの学生ビザを取得するという手があります。オーストラリアでは、語学留学目的の学生ビザ取得者でも、2週間で40時間までならアルバイトをすることが認められているんです。夏休みなどの休暇期間中は、無制限の就労が可能です。

オーストラリアでは学生ビザでバイトができる!

これに注目して、1年間の充実した留学生活を送ったのが、Yさんです。

■Yさんの場合(27歳・女性 事務職)

商社で経理を担当するYさんは、自身のキャリアアップのために海外で会計の勉強をすることにしました。期間は1年間。予算があまりないため、最初はワーキングホリデーを選択しようとしましたが、留学の斡旋会社からオーストラリアでアルバイトができると聞き「コレだ!」と思ったそうです。

もともと英語は好きだったものの、いきなり専門的な授業を受けるのはハードルが高いと思い、シドニーにある語学学校で3カ月間、ビジネス英語を中心に勉強。その後、州立の高等職業訓練専門学校であるTAFE(Technical and Further Education)で、会計のコースを6カ月間受講しました。

学校が終わってからは、シドニー中心部にある時給15ドルの日本食レストランでアルバイトをする日々を送りました。レストランではまかないが出たので、食費軽減になったとYさんは言います。このアルバイトを、週に20時間・約4カ月継続したので、計4800ドル(日本円にして約40万円)を稼いだ計算です。

さらに、アルバイト先のオーナーからは、滞在中の生活でも何かと助けてもらいました。滞在するアパートを紹介してもらったり、水道が出なくなった際にはアドバイスをもらったり、週末には家族パーティーに呼んでもらったりと、異国の地で心細いYさんにとっては何ともありがたいことです。

さて、結局Yさんの滞在中の収支はどうなっていたのでしょうか。語学学校とTAFEの授業料、滞在(ホームステイ12週間、ルームシェア24週間)の合計費用が、だいたい2万5000ドル(約215万円)。そこから、アルバイト代の4800ドル(40万円)を差し引いて、実際は2万0200ドル(175万円)程度に抑えられたという計算になります。

また、留学したことによる収穫も大きかったようです。英語でのコミュニケーションに自信が持てたことに加え、TAFEで学位を取得することもできました。帰国後は、外資系の会社で経理の仕事に就き、年収アップに成功しました。

(3)アメリカの有給インターンシップ制度

 一方、学校には通わずに、生きた英語を学びたいという人はどうすればいいのでしょうか。活用したいのは、アメリカの社会人向けの有給インターンシップ制度です。一定の社会経験がある方なら、給与をもらいながら就業経験を積むことが可能です。

この制度を利用した場合、フルタイム(週40時間程度)で働くことになるので、時間的にも語学学校に通うのは困難ですが、週末や夜間などに社会人向けコースを受講することは可能でしょう。

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